RB211-524 シリーズ
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「ロールス・ロイス RB211」の記事における「RB211-524 シリーズ」の解説
L-1011向けに開発したものの、L-1011の販売が低調であったために他機種への採用を目指してRB211の推力を増強する再設計を行った。フッカはファンと中圧圧縮機を再設計して推力を50,000 lbf (220 kN)に増強した。新しいエンジンはRB211-524という型名が与えられ、新しいL-1011の派生機種と同様にボーイング747に搭載される事が期待された。 1960年代、ロールス・ロイスはボーイング社にRB211を売り込んだが、成功しなかった。しかし、-524は性能が向上しており燃費も良く、ボーイング社が当初747のエンジンとして選定したプラット・アンド・ホイットニー社のJT9Dに充分対抗でき、747の航続距離を伸ばせる事から、1973年にはRB211-524を747-200の選択肢に加える合意が結ばれた。ブリティッシュ・エアウェイズはこの組み合わせを発注し、1977年から就航させた。これに自信を得たロールス・ロイスは-524の開発を継続し、-524Cでは推力を51,500 lbf (229 kN)まで増強し、さらに1981年に認証を取得した-524Dでは53,000 lbf (240 kN)まで増強した。カンタス航空、キャセイパシフィック航空、カーゴルックス航空、南アフリカ航空が採用した。ボーイングがより大型の747-400を計画した時には更に推力が必要でロールス・ロイスは推力58,000 lbf (260 kN)の-524Gや、初のFADEC搭載機種である推力60,600 lbf (270 kN)の-524Hを開発して応じた。-524Hは同様にボーイング767のエンジンの第3の選択肢として提案され、1990年2月からブリティッシュ・エアウェイズで就航を開始した。 ロールス・ロイスでは後継のトレントエンジンの開発を進めていたが、その中でトレント700で強化された高圧圧縮機が-524Gと-524Hに適用可能であることを見いだした。トレント700の高圧圧縮機を適用した派生機種はそれぞれ-524G-Tと-524H-Tと呼ばれ、軽量で燃費が向上し排出物も低減された。既存の-524G/H エンジンを強化された-T仕様に改良することもでき、複数の航空会社が実施している。 -524は開発当時よりもますます信頼性が向上し、767に搭載される-524Hは1993年に180分間のETOPSの認定を取得した。
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