ザクロ
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ハナザクロ
ざくろ (石榴)
●地中海の東部から北西インドが原産です。わが国へは、古い時代に中国から渡来しました。日本では食用というより、観賞用に栽培されています。多くの園芸品種があり、八重咲きの「ハナザクロ」には果実がなりません。シェークスピアの「ロミオとジュリエット」にも登場する「ザクロ」の樹。"It was the nightingale, and not the lark, That pierc'd thefearful hollow of thine ear; Nightly she sings on yon pomegranate tree:Believe me, love, it was the nightingale."
●収穫の女神デメテル(Demeter)には、ゼウス(Zeus)との間にペルセポネ(Persephone)という美しい一人娘がいます。ある日、ペルセポネは野原でニンフたちと花を摘んでいて、世にも美しいスイセンを見つけます。スイセンは死の国との境に咲く花です。ペルセポネはそれを忘れて思わず手折ってしまいます。次の瞬間、大きな口を開けた大地から、光り輝く黄金の馬車が勢い良く飛び出し、それに乗っていた冥界の王ハデス(Hades)がペルセポネをさらってしまいます。デメテルは嘆き悲しみ、神殿に奥深く篭ってしまいます。収穫の神が隠れてしまったのですから、世界中の草木は枯れてしまいます。こうして、冬が生まれました。さすがのゼウスも困り、ハデスに「ペルセポネをデメテルに返すように」と命じます。避けられないと知ったハデスは一計を案じ、ペルセポネにザクロの実を食べさせます。冥界のものを食べた者は冥界から出られないということを知らず、ペルセポネは4粒食べてしまいます。その結果、ペルセポネがハデスの妻となり、冥界の女王となるのは避けられなくなってしまいますが、冥界で過ごすのは食べたざくろの実の数、つまり4か月でいいということになりました。娘と離れて暮らす4か月間、デメテルは悲しみにくれて冬が訪れます。しかし、愛しい娘が帰ってきたときには喜びで春が来ます。こうして冬のあとには春がくるようになりました。(Essay by Yumi Gunji)
佐久呂
安石榴
柘榴
柘留
石榴
色玉
若榴
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