エッチ‐エル‐ブイ【HLV】
読み方:えっちえるぶい
重量物打ち上げロケット
重量物打ち上げロケット(じゅうりょうぶつうちあげロケット、英語: Heavy-lift launch vehicle, HLV/HLLV)は大重量の貨物を輸送するロケットである。「大型ロケット」[1][2][3][4](Heavy-Launch Vehicle)と呼ぶ事もある。 厳密な定義は存在しないが、一般には複数の静止衛星を同時に搭載したり、スペースシャトルと同等以上(20トン以上)の低軌道への運搬能力を持つものがこのように呼ばれる。HLVの重量定義は存在しないため、その時代に開発が進められている大型の打ち上げロケットの能力を目安にして、HLVの対象機も推移して行く。
HLVの例:
- アリアン5 ES (低軌道 (LEO) への打上能力20トン) (退役)
- デルタIVヘビー (22トン/LEO)
- アトラスV HLV (29トン/LEO)
- アンガラA7V (40トン/LEO)
- 長征5号 (25トン/LEO)
- ファルコンヘビー (53トン/LEO)
- N-1 (約90トン/LEO): 旧ソ連が打上げに失敗した月計画用ロケット
- スペース・ローンチ・システム (95トン/LEO)
- エネルギア (約100トン/LEO) (退役)、派生型のヴァルカンロケット (175トン/LEO)(構想検討のみ)
- サターンV (約120トン/LEO) (退役)
2014年にはロシアも世界最大のロケットの開発に乗り出す動きがあり、将来の有人月・火星ミッションに備えて、初期段階で低軌道へ80トン、能力向上型で160トンの打ち上げ能力を目指す模様で、構想案の中にはエネルギアロケット (あるいはその派生型) の復活案も含まれている。また中国も独自の有人月ミッションに備えて、重量物打上げロケットである長征9号 (130トン/LEO) の開発を検討している[5]。
脚注
- ^ https://www8.cao.go.jp/space/comittee/yusou-dai2/siryou3-8.pdf
- ^ “TELESCOPE Magazine | インタビュー | 次世代の主力大型ロケット「H3」”. TELESCOPE Magazine. 2022年11月30日閲覧。
- ^ “JAXA | H3ロケット”. JAXA | 宇宙航空研究開発機構. 2022年11月30日閲覧。
- ^ 松村武宏. “【追記あり】中国大型ロケット「長征5号B」コアステージは日本時間11月4日夜に再突入”. sorae 宇宙へのポータルサイト. 2022年11月30日閲覧。
- ^ “Russian Space Agency Plans World’s Biggest Rocket”. RIA Novosti. (2014年1月28日) 2014年2月11日閲覧。
HLV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:01 UTC 版)
「ジオン公国の艦船及びその他の兵器」の記事における「HLV」の解説
OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』が初出で、『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』などにも登場。 垂直離着陸式の軍事用SSTOで、"Heavy-lift Launch Vehicle"の略。「大気圏離脱艇」とも呼ばれる。卵型に近い円錐形をしており、衛星軌道上までの移動時、および大気圏離脱時には専用のブースターを装備する。地球降下時には内蔵のスラスターとともに3基のパラシュートも併用する。大気圏離脱時には滑走路が不要であるが、非武装のため衛星軌道上で回収されるまでの間に敵に拿捕もしくは撃墜・破壊される可能性が高く(装甲はボールのキャノン砲1発で撃破される程度)、自軍による援護を必要とする点が短所である。 書籍『ガンダムセンチュリー』で設定された"HRSL"(大重量強襲可帰還揚陸艇) を原型とする。ムサイ級軽巡洋艦の独特なエンジンのレイアウトは、これを挟み込むように搭載・運搬することを目的としたものであるとされた。なお、同書の別項「GUNDAM SCIENCE」では"HLV"についても触れられており、「重量物発射機」の略とされている。 劇中での活躍 『MS IGLOO2 重力戦線』などでは、ジオン軍の地球降下作戦の際に使用される。『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話では、オデッサ作戦の敗退により宇宙へ脱出した本機の大部隊が連邦軍のボール小隊に襲撃され、多数が撃破されている。 アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』のエンディングの地球降下作戦では、『ガンダムセンチュリー』と同様の形でムサイ級に運搬される。機体上部に同級との接合のための円筒形のユニットを装備、そのまま大気圏に突入し、地表到達時には消失している。 『0083』第4話では、ノイエン・ビッター中将率いるアフリカのジオン残党軍が隠匿していた本機を用いて、デラーズ・フリートのアナベル・ガトーとガンダム試作2号機を宇宙に送り届ける。 ゲーム『ギレンの野望』シリーズでは、地球連邦軍側の勢力でも生産可能となっている。
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