F-2の代替
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:00 UTC 版)
「F-X (航空自衛隊)」の記事における「F-2の代替」の解説
「次期戦闘機 (F-2後継機)」を参照 保有するF-2(FS-X)は約30年の運用寿命(基準機体寿命6,000時間)で設計されており、2030年代に退役が始まる見通しである。政府としては後継機として国産・国際共同開発・輸入の3案を検討していた。 国産案としては、先進技術実証機X-2やXF9の各種研究・開発により得られたデータを元に新型ステルス戦闘機『F-3』を開発する計画があるが、数兆円の開発費が必要となり財政負担が大きいとされた。 国際共同開発案には数社が名乗りを上げており、2018年7月時点ではロッキード・マーティンが提案するF-22の機体にF-35のアビオニクスを搭載する混合型機、ボーイングが提案するF-15をベースとした機体、BAEシステムズが提案するユーロファイター タイフーンをベースとした機体があり、この中でもロッキード・マーティンの案が本命とされていたが、高額すぎるとの指摘もあった。 輸入案については既存機を自衛隊向けに改修するため財政負担は少なく導入時期の見通しも立てやすいが、性能面での優位性は小さいとされた。 防衛省は2016年7月にライフサイクルコストを含めて全体で約4兆円規模となる次世代戦闘機の入札の準備に入り、最終決定は2018年夏頃を見込んでいるとされていた。 2018年12月18日、閣議により新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画が決定され、中期防の中で「将来戦闘機について、戦闘機(F-2)の退役時期までに、将来のネットワーク化した戦闘の中核となる役割を果たすことが可能な戦闘機を取得する。そのために必要な研究を推進するとともに、国際協力を視野に、我が国主導の開発に早期に着手する。」と明記され、国際協力の可能性も含めた日本主導の戦闘機開発が決定した。海外機案は技術上・価格上のメリットが薄いとされ、国内企業が主導する開発方針となった。 そして、2019年(令和元年)12月に公表された「我が国の防衛と予算 令和2年度予算の概要(案)」において、「我が国主導の次期戦闘機の開発」として戦闘機システム全体の初期的な設計作業に着手するために、開発初年度となる令和2年度防衛予算に111億円を計上することが公表された。また同時に防衛装備庁長官官房に「装備開発官(次期戦闘機担当)」を新設することが公表された。 防衛省は、米ロッキード・マーティン社によるステルス戦闘機F-22とF-35をベースにした"ハイブリッド機"の提案を断り、あくまで日本主導の新型機開発を目指している。米英両国との技術提携も検討されていたが、2020年12月、防衛省はロッキードとの提携を行っていくことが明らかとなり、F-2開発同様、米国のみと提携することで技術情報の米側によるブラックボックス化が懸念された。しかし2022年5月、日本政府は一転してBAEシステムズとの共同開発を行う方針を明らかにしている。
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