ESVとは? わかりやすく解説

イー‐エス‐ブイ【ESV】


ESV

1.ESV(船上地球局)の導入

海上分野における高速かつ大容量データ通信等に対す世界的な需要高まり踏まえ平成15年6月開催され世界無線通信会議(WRC-03)において、海上において高速・大容量通信を行うことができる「船上地球局(ESV:Earth Stations on board Vessels)」に関する審議が行われ、C帯又はKu帯の固定衛星業務宇宙局(人工衛星)を利用したESVシステム導入されました。
C帯アップリンク6GHz帯・ダウンリンク4GHz帯、Ku帯:アップリンク14GHz帯・ダウンリンク12GHz帯)

我が国においても、情報通信審議会及び電波監理審議会答申を受け、平成18年1月必要な規定整備行ったところです。


図:ESV(船上地球局)の実用イメージ図

2.ESVを運用することができる海域

ESVは、周波数共用する固定業務及び移動業務無線局への影響鑑み無線局運用規則において、以下の海域においては電波発射することができないこと規定されています。無線局運用規則262条の2)

周 波 数 帯
海   域
5925MHz~6425MHz
 すべての沿岸国の低潮線から300km以内海域
14.0GHz~14.4GHz
 本邦以外の沿岸国の低潮線から125km以内海域
14.4GHz~14.5GHz
 すべての沿岸国の低潮線から125km以内海域

ただし、次に掲げ場合においては無線局運用規則262条の2に基づく告示に基づき、ESVを運用することが可能です。

なお、沿岸国の領海内において船上地球局運用する場合我が国電波法令は適用されず、沿岸国の電波法令等により運用自体認められない場合当該沿岸国の無線局免許必要になる等の制約がある場合ございますので、当該沿岸国の関係法令等遵守するよう十分にご留意ください

    ◇ 他の無線局運用阻害するような混信与えるおそれがない場合であって次に掲げ場合
          ただし、沿岸国の主管庁又は他の無線局から電波発射中止するよう求められたときは、当該混信
          除去するために必要な措置執る場合

周 波 数 帯
海   域
14.0GHz~14.25GHz
サウジアラビア王国バーレーン王国キプロス共和国大韓民国
アラブ首長国連邦ロシア連邦ギリシャ共和国インドネシア共和国
イラン・イスラム共和国イラク共和国クウェート国マレーシア
マルタ共和国オマーン国パキスタン・イスラム共和国注)
フィリピン共和国注)カタール国シンガポール共和国注)
スリランカ民主社会主義共和国又はタイ王国低潮線から125km以内海域
14.25GH~14.35GHz
サウジアラビア王国バーレーン王国キプロス共和国大韓民国
アラブ首長国連邦ロシア連邦ギリシャ共和国インドネシア共和国
イラン・イスラム共和国イラク共和国クウェート国マレーシア
マルタ共和国オマーン国パキスタン・イスラム共和国注)
フィリピン共和国注)カタール国スリランカ民主社会主義共和国
又はタイ王国低潮線から125km以内海域
14.35GHz~14.4GHz
サウジアラビア王国バーレーン王国キプロス共和国大韓民国
アラブ首長国連邦ロシア連邦ギリシャ共和国イラン・イスラム共和国
イラク共和国クウェート国マレーシアマルタ共和国
オマーン国パキスタン・イスラム共和国注)フィリピン共和国注)
カタール国スリランカ民主社会主義共和国又はタイ王国低潮線から125km以内海域
14.4GHz~14.5GHz
サウジアラビア王国バーレーン王国キプロス共和国アラブ首長国連邦
ロシア連邦ギリシャ共和国イラン・イスラム共和国イラク共和国
クウェート国マレーシアマルタ共和国オマーン国
フィリピン共和国注)カタール国又はタイ王国低潮線から125km以内海域

注) 無線通信規則第五条周波数分配表において一次業務として分配されている固定業務又は移動業務無線局からの有害な混信容認する場合に限る。

◇ その他の場合を含む告示平成18年総務省告示102号)の全文については、別添(PDF)のとおりです。


ESV

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。


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