COVID-19への使用における安全性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:59 UTC 版)
「イベルメクチン」の記事における「COVID-19への使用における安全性」の解説
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防または治療のための使用は承認されておらず、安全かつ効果的な投与方法を示すデータは不十分である。他の医薬品との相互作用もあり、過剰摂取や誤用による健康被害が増加している。適応外使用をした場合や個人輸入で服用した場合、重篤な副作用を起こしても医薬品副作用被害救済制度は適用されない。 アメリカでは家畜用のイベルメクチンを服用し、過剰摂取により入院する人や、米国中毒相談センター(AAPCC)への電話相談が増加している。2021年3月、アメリカ食品医薬品局(FDA)は家畜用のイベルメクチンについて「痙攣や昏睡など深刻な被害を引き起こす可能性があるだけでなく、死に至ることもある」と注意を呼びかけたほか、同年8月ツイッターに「あなたは馬でもなければ、牛でもありません。本気でやめてください」と投稿した。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、家畜を対象とした用量または外用薬の摂取を禁止し、吐き気、嘔吐、下痢、低血圧、意識レベルの低下、混乱、目のかすみ、幻覚、バランスの喪失、発作、昏睡、死亡などの過剰摂取症状に関する警告を発した。 イベルメクチンは、in vitro(試験管内で)でSARS-CoV-2を阻害する能力があるが、in vitroで50%の阻害を達成するには推定7.0 mg/kgの経口投与が必要である。これは疥癬の治療等で安全性が確認されている量(1kg当たり0.2mgを単回投与)の35倍であり、イベルメクチン中毒とされるほど高い。なお、イベルメクチンのLD50(半数致死量)はマウス25mg/kg(経口)、イヌ80mg/kgであり、ヒト等価用量LD50範囲2.02 - 43.24mg/kgに相当する。
※この「COVID-19への使用における安全性」の解説は、「イベルメクチン」の解説の一部です。
「COVID-19への使用における安全性」を含む「イベルメクチン」の記事については、「イベルメクチン」の概要を参照ください。
- COVID-19への使用における安全性のページへのリンク