BMW2002ターボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:37 UTC 版)
「BMW・02シリーズ」の記事における「BMW2002ターボ」の解説
1973年発表。通称「マルニターボ」。ボア×ストローク89.0×80.0mmで総排気量1,990ccの水冷直列4気筒SOHCエンジンを搭載し、圧縮比を6.9:1に低め、クーゲルフィッシャー(Kügelfischer)製の機械式インジェクションと独KKK社(Kühnle Kopp und Kausch)製のBLDターボチャージャーを装着することで、170hp/5,800rpm、24.5kg-m/4,000rpmを発生。BMW2002tiiに対して30%もの出力アップを果たした。 トランスミッションは4速と5速のMTが用意されており、ギアレシオはBMW2002tiiと同様に4速が3.746/2.020/1.320/1.000、5速が3.368/2.160/1.579/1.241/1.000とされた。最高速は211km/hと、当時同社のBMW3.0CSと同等の数値を記録した。 車体側は、ホイールサイズを5.5J×13、タイヤサイズは185/70HR13を採用し、前後トレッドは1,375mm/1,362mmに拡げられた。また、ブレーキはフロントのディスクがΦ256のベンチレーテッドディスクにグレードアップされ、リアのドラムがΦ250へと拡大された。 BMWとしては出力アップと共に、省燃費をも両立させる技術として発表した世界初のターボチャージャーを搭載した市販車であったが、実際には電子制御もされていない機械式インジェクションシステムのうえ、インタークーラーも付いていなかったため、省燃費エンジンとは程遠く、第一次オイルショックの影響もあって1,672台で生産終了となった。 エクステリアでは、フロントバンパーを廃してエアスポイラーを装備し、そこには逆さ文字で「TURBO」と書かれたステッカーが貼られていた。これが前を走るクルマのルームミラーに映し出されることで、前走車のドライバーにプレッシャーを与えていたと言われる。前後フェンダーにはリベット止めのオーバーフェンダーが、トランクフードにはラバー製のリアスポイラーが装着された。なお、このリベット止めの前後オーバーフェンダーは、日本では当時の運輸省で認可が下りずにパテ埋めされた。
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