ATACS
英語:Advanced Train Administration and Communications System
JR東日本(東日本旅客鉄道)が開発した、無線通信技術を利用した鉄道の信号保安システム。2011年春に、仙石線のあおば通~東塩釜間に初めて導入された。
ATACSは、列車に搭載された「車上装置」、メインコンピューターとなる「拠点装置」、踏切や転轍機などの地上設備を無線で接続することにより、各装置間での双方向通信を実現するシステムである。
鉄道の信号保安システムでは、衝突を防ぐために2本以上の列車が存在してはいけない「閉塞区間」が定められるが、ATACSでは、拠点装置が各列車の位置や速度の情報から制動距離を計算することにより、閉塞区間がリアルタイムで決定される。従来は、閉塞区間は信号機の位置などによって決まっており不定であったが、ATACSでは状況に応じて変化する(移動閉塞方式)。
ATACSを導入すると、信号や踏切警報機などの地上設備の一部や、列車側のATS(自動列車停止装置)、ATC(自動列車制御装置)などが不要となり、その維持管理に必要なコストを削減することができるとともに、システムの信頼性も従来より向上するとされている。
JR東日本は2014年1月現在、「首都圏輸送システムの変革」を掲げ、ATACSの首都圏路線への導入を検討している。2013年10月の発表によると、2017年秋に、埼京線の池袋~大宮間への導入が予定されている。
関連サイト:
埼京線への無線式列車制御システム(ATACS) - JR東日本
アタックス【ATACS】
ATACS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/09 07:19 UTC 版)
ATACS(アタックス、英語: Advanced Train Administration and Communications System)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が開発した列車保安装置である。
- ^ “無線式列車制御システムによる安全性の刷新”. 2019年1月24日閲覧。
- ^ “無線による列車制御システム(ATACS)の実用化について” (PDF). 東日本旅客鉄道 (2009年4月7日). 2011年6月30日閲覧。
- ^ “信号機なしで列車制御、仙石線で導入へ…世界初”. 読売新聞. (2011年2月5日) 2011年2月15日閲覧。
- ^ 交通新聞2011年2月1日
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- ^ “無線による列車制御システム「ATACS」の使用開始について” (PDF). 東日本旅客鉄道 (2011年6月30日). 2011年6月30日閲覧。
- ^ “鉄道100年の運行制御、デジタルで一新 仙台で稼働へ”. 日本経済新聞. (2011年10月2日) 2011年10月2日閲覧。
- ^ “無線による列車制御システム「ATACS」の使用開始について” (PDF). 東日本旅客鉄道 (2011年10月11日). 2011年10月12日閲覧。
- ^ 交通新聞2014年12月16日
- ^ 埼京線への無線式列車制御システム(ATACS)の使用開始について - 東日本旅客鉄道、2017年10月3日、2017年10月4日閲覧。
- ^ “JR東、無線で列車制御−地上設備を大幅スリム化”. 日刊工業新聞 (日刊工業新聞社). (2017年2月28日) 2017年11月27日閲覧。
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- ^ “JR東、常磐緩行線にCBTCの導入検討”. 日刊工業新聞. (2012年7月10日)
- ^ “丸ノ内線に無線式列車制御システム(CBTCシステム)を導入します” (PDF). 東京メトロ (2016年1月28日). 2017年10月11日閲覧。
- ^ “首都圏のICT列車制御、JR東が海外方式導入を断念-国産「ATACS」推進”. 日刊工業新聞. (2017年10月11日)
- ^ 交通新聞社 2017年10月5日紙面
- ^ “次世代の列車制御、JR東日本が海外方式の導入を断念”. ニュースイッチ. (2017年10月11日)(記事内に「今後採用する次世代の列車制御は日立製作所、三菱電機と共同で開発した無線式列車制御システム「ATACS(アタックス)」を軸に進めていく。」とあることでATACSをCBTCの代替として検討していることが確認可能である)
- ^ “「車上主体列車制御システム(無線式)」、「バッテリー電車」の技術開発について”. 西日本旅客鉄道株式会社. (2013年3月8日)
- ^ “JR西日本、「ATACS」をベースにした無線式車上主体列車制御システムの走行試験を公開”. トラベルWatchニュース. (2015年10月19日)
- ^ “無線による保安システム導入計画の見直しについて”. 西日本旅客鉄道株式会社. (2022年2月18日)
- ^ a b 交通新聞2012年1月25日
ATACS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 14:45 UTC 版)
詳細は「ATACS」を参照 ATACS(アタックス、英語: Advanced Train Administration and Communications System)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が開発した列車保安装置である。 従来、軌道回路で行っていた列車位置検知を車上検知に変更し、地上と車上の通信をデジタル無線で行うのが大きな特徴である。また既存の信号システムにおける自動列車保安装置(ATSやATC)、連動装置、踏切の制御装置を全て内包している保安装置である。また日本初の移動閉塞(クロージング・イン)システムである。 2020年(令和2年)10月現在、仙石線(あおば通駅 - 東塩釜駅間)と埼京線(池袋駅 - 大宮駅間)において使用しているほか、ATACSを応用した地方交通線向け無線式列車制御システムを小海線(小諸駅 - 小淵沢駅間)で使用している。
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