いどう‐へいそく【移動閉塞】
移動閉塞
移動閉塞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/13 00:16 UTC 版)
詳細は「移動閉塞」を参照 固定閉塞を用いることの欠点として、高速な列車はブレーキ距離が長くなるため、より長い閉塞区間を占有して、線路容量を下げることがある。 移動閉塞方式では、列車の移動に伴い、閉塞区間も移動し、走行速度に応じて閉塞区間も増減する。コンピューターが各列車に対して他の列車の進入を許さない範囲を計算する。システムは各列車の現在の正確な位置、速度、進行方向を把握できることを前提に設計されており、線路や車上に備えられた様々なセンサー、タコメータ、速度計などによって計測されている(GPSは地下線やトンネルの中では測定不能になるので使えない)。移動閉塞では、路側信号機は不要となり、指示は列車に直接伝達される。これにより、安全上必要とされる最低限の間隔を保ちながら、できる限り列車を接近させて走行させることができるようになり、線路容量の増大に貢献する。 移動閉塞はCBTCにも採用される。 移動閉塞は、ロンドンのドックランズ・ライト・レイルウェイ(Docklands Light Railway)や、ニューヨークのカナーシーL線(Canarsie "L" Line)などで用いられており、ジュビリー線でも使用する計画がある。イギリスのウェスト・コースト本線(West Coast Main Line)の近代化でも移動閉塞を採用して、最高速度を140マイル毎時まで引き上げることが計画されたが、十分成熟した技術ではないと考えられたことと、他の線との接続点が多いことなどから、計画は断念された。移動閉塞はERTMSのETCS level 3でも仕様に入っており、この仕様では列車はブレーキ距離だけの間隔で先行列車に続行して走ることができるようになっている。 日本ではJR東日本で無線式の移動閉塞制御を実用化させ、無線による列車制御システム「ATACS」を2011年春から仙石線あおば通駅-東塩釜駅間に導入すると発表した。
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移動閉塞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 14:02 UTC 版)
詳細は「移動閉塞」を参照 固定閉塞式を用いることの欠点として、高速な列車はブレーキ距離が長くなるため、より長い閉塞区間を占有して、線路容量を下げることがある。 システムとしては、コンピュータが各列車に対して他の列車の進入を許さない範囲を計算することで、各列車の現在の正確な位置、速度、進行方向を把握できることを前提に設計されており、線路や車上に備えられた様々なセンサー、タコメータ、速度計などによって検知または計測されている(GPSは地下線やトンネルの中では測定不能になるので使えない)。移動閉塞では、閉塞信号機とそれに伴い設置される閉塞区間が不要となり、速度指示が列車に直接伝達される。これにより、安全上必要とされる最低限の間隔を保ちながら、できる限り列車を接近させて走行させることができるようになり、線路容量の増大に貢献する。 信号システムの観点から、上の固定閉塞の図は、先行列車が在線している区間すべてを占有していることを示している。これは、区間内のどこに列車が存在しているかを正確に知ることができなかったからである。このため、固定閉塞方式では、続行列車は先行列車が在線していない閉塞区間の境界までしか進むことができない。 2番目の図に示すように移動閉塞では、列車の位置とその減速曲線を列車が常時計算しており、地上装置に対して無線で報告している。このため地上装置は防護区間を計算し、もっとも列車に近い障害(この図でいえば先行列車の末尾)に停止限界点 (LMA: Limit of Movement Authority) を設定することができる。 列車の在線位置には不確定性があり、列車の長さに対して安全上の余裕を含める必要がある(図の中で黄色で示されている)。これを総称してフットプリント(足跡)と呼んでいる。この安全上の余裕は、列車が移動距離を計算する方法の精度に依存している。 移動閉塞に基づくCBTCを使えば、続行する列車の安全距離を短縮することができる。この距離は列車が常時報告する位置・速度に従って、安全上の要求を満たしながら変化する。これにより列車の運転間隔を短縮でき、線路容量を増加させることができる。 移動閉塞は、ロンドンのドックランズ・ライト・レイルウェイ(Docklands Light Railway)や、ニューヨークのカナーシーL線(Canarsie "L" Line)などで用いられており、ジュビリー線でも使用する計画がある。イギリスのウェスト・コースト本線(West Coast Main Line)の近代化でも移動閉塞を採用して、最高速度を140マイル毎時まで引き上げることが計画されたが、十分成熟した技術ではないと考えられたことと、他の線との接続点が多いことなどから、計画は断念された。移動閉塞はERTMSのETCS level 3でも仕様に入っており、この仕様では列車はブレーキ距離だけの間隔で先行列車に続行して走ることができるようになっている。 日本ではJR東日本で無線式の移動閉塞制御を実用化させ、無線による列車制御システム「ATACS」を2011年春から仙石線あおば通駅-東塩釜駅間に導入した。
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