黒川上地区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 06:52 UTC 版)
黒川地区のうち多摩市・町田市境に近い北東部一帯が市街化調整区域および農業振興地域に指定されたことから、かつての谷戸地形を利用した農業が受け継がれ、以前は多摩丘陵の各所で見られた里山の光景を今に伝えている。 黒川上営農団地 1978年度から1982年度にかけて土地基盤整備事業が実施された。既存農家の他、市民農園や近隣学校の体験学習農地としても利用されている。ただし国士舘大学裏に抜ける山道沿いには不法投棄された各種のゴミが大量に散乱しており、極めて見苦しい光景をみせている。 汁守神社 かつて、武蔵国総社の大國魂神社(府中市)に供える汁物を調える役目を担ったことから、こう呼ばれるようになったと言われる。 神奈川中央交通(鶴川駅〜若葉台駅・調布駅系統)「日影」バス停の前、黒川の中心部にある小高い丘の上に鎮座する。境内の鎮守の森には川崎市指定保存樹木が多い。春には一面にカントウタンポポが咲き、秋には紅葉で染まる。また、境内には黒川公会堂が併設されている。 毘沙門天堂 かつて黒川上地区にあった金剛寺の跡といわれ、その歴史は8世紀に遡ると考えられている。現在は近隣住民により祠が建てられている。かつては行基作と伝えられた毘沙門天座像が祀られていたが、平成7年に盗難に遭い、現在は小さな毘沙門天立像が収められている。参道は軽い上り坂であるが、境内の入口には鳥居が立てられており、明治初の廃仏毀釈以前の神仏習合の様子を伺わせる。しかし鳥居の根本に並ぶ石仏群はいずれも首が落とされており、廃仏毀釈の爪痕を生々しく伝えている。 瓜生黒川海道(街道・往還) 柿生・黒川から府中・八王子方面に抜ける近道で、江戸時代頃から歩かれた往還。黒川・柿生地域特産の「黒川炭」「禅寺丸柿」などが運ばれ、また汁守神社の汁物が府中に運ばれる際にも使われたと言われている。 以前は鬱蒼とした森の中を通る山道であったが、隣接する「はるひ野」の宅地造成に伴せ、地面が均されるなど散策道として整備されつつある。また、尾根伝いの多摩市境に散策路「よこやまの道」が整備されて以降、散策を楽しむ人が多く訪れている。 沿道の雑木林は緑地保全地区に指定されており、既存の農地と一体として、かつての里山の風景を今に伝えるとともに、野鳥などの生態系を支えている。 西光寺 曹洞宗。室町時代の創建といわれる。 神奈川県企業庁柿生発電所 川崎一号水道の取水地と浄水場の落差を利用した水力発電所。 川崎市水道局黒川高区配水池 昭和60年に設置された、潮見台浄水場(宮前区潮見台)で浄化された水道水を汲み上げて各世帯へ配水するための施設。当地域が市内でも随一の標高であることから、黒川配水所よりも高い地域へ配水するために設けられた。 明治大学黒川農場 三菱重工相模原製作所黒川試験場跡を明治大学が買い取り、2005年度より整備方針が検討されて、2012年4月開場。川崎市と連携して市民も利用可能な農業試験場として整備されている。 電源開発送変電ネットワーク(J-POWER送変電)西東京変電所 町田市真光寺町との境界にある変電施設。ここを中心に田子倉発電所(只見幹線)、佐久間発電所(佐久間東幹線)など各方面へ送電線が延びる。
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