顕微授精に関する見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 10:19 UTC 版)
黒田インターナショナルリプロダクションのWEBサイト・東洋経済ONLINE・日経xwomanなどで度々触れられているが、現不妊治療において顕微授精のリスクが正しく伝えられていないと述べている。 東洋経済_"不妊治療の保険適用で浮かび上がる「根本問題」"より黒田コメントを抜粋 「胎児過剰発育には、ゲノムインプリンティング異常(遺伝子の働きを調整する仕組みに異常が出る病態)が関与している可能性が指摘され、先天異常を専門とする小児科医や研究者らは、『顕微授精や胚盤胞培養のリスク』を危惧する研究成果を報告しています。そのような背景のなか、“顕微授精は安全です。自然に妊娠したときと同じくらいのリスクです”と説明されることも少なくないようです。」 日経xwoman_"知られざる不妊治療のリスクを専門医が徹底解説"より黒田コメントを抜粋 「ヒト精子の機能を詳しく調べると、運動精子であっても様々な機能異常が見つかり、遺伝情報を担うDNAに損傷がある場合も多いのです。ですから、ARTの対象となるヒト精子では性善説が成立しません。 すなわち、ヒト精子においては「運動精子≠良好な精子」ということで、運動精子でも質の悪い不良な精子もあるということです。 本来、顕微授精は精子の数が少ないのをカバーする技術であり、DNA損傷をはじめとする精子機能の質的低下をカバーすることはできません。 私の専門の立場から、単に運動精子を捕捉して卵子に穿刺注入している現状の顕微授精は、精子の質(精子機能)に関する論議が不足していると申し上げているのです。」 「顕微授精が全く成功しなかった実例」より黒田優佳子監修の記事を抜粋【ケース1】妻30代後半。精子には問題なし。卵子の老化が不妊原因とされ、顕微授精を繰り返してきたが、全く成功せず。精子精密検査をしたら、重篤な精子異常が発覚、治療断念を視野に。 当院受診前に通っていたクリニックでは「精子数も運動率は良好で、男性不妊ではありませんので、不妊原因は卵子の問題です」「間もなく40歳、急がないと時間がありません。諦めずに頑張りましょう」と言われ、顕微授精を8回繰り返された夫婦のケース。前医では、受精率が極めて悪く、8回の顕微授精の内、1回しか胚移植に至りませんでしたが、不成功に終わりました(総治療費は諸雑費を含めて約500万円)。 当院で精子の精密検査を実施した結果、確かに精子数や運動率等の見た目には全く問題が認められず、現行の検査では「良好精子」といわれる基準を十分に満たしていましたが、運動精子のDNAの構造を解析したところ、約80%の精子DNAに傷(切断)がついていることが明らかになりました(精子DNA損傷率 約80%)。同時に、他の精子機能異常率も高く、多重精子異常のタイプであることがわかり、その背景には遺伝子異常があることが裏付けられました。この総合的な結果を踏まえ、この夫婦には「治療断念」という見解をお伝えせざるを得ませんでした。
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