音韻学
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音韻学に関する初期の著書に『漢語音韻学』(1935)がある。その後『漢語史稿』上冊(1957、改訂版1980)、『漢語音韻』(1963)、『詩経韻読』(1980)など、時期によって説がかなり変化している。 上古音の分野ではまず従来「脂部」と呼ばれていた韻部が「脂部」と「微部」の2つに分かれることを示した。これは他の学者も採用し、定説になっている。 上古音でおなじ部に属する字は同じ主母音を持つと考え、中古音で一等と二等に分かれている原因については、二等の方に介母 e/o があったと考えた。これは主母音の数を減らすのには役立っているが、そのぶん介母にしわよせが来ている。韻尾についてはカールグレンなどの考えた -g、-d などの有声韻尾の存在を否定し、前者はゼロ韻尾(または -u)、後者は -i で終わっていたと考えた。四声については中古音と異なり母音に長短の区別があり、舒声は長母音が平声・短母音が上声、促声(-p, -t, -k)は長母音が去声・短母音が入声になったと考えた。上古音の声母に子音連結があったという説については単に否定した。 『同源字典』(商務印書館1982)は、単語家族を集めて上古音を付した字典であり、出典をいちいち示しているところに特徴がある。字典であるためか、集めただけでそこから何かの結論を出そうとはしていない。 上古音と中古音の間の変化を押韻資料から研究した論文に「南北朝詩人用韻考」(清華学報11-3、1936)がある。方言や文体の違いも考慮した用意周到な論文で、現在もしばしば参照される。 日中戦争時にハノイで行った漢越語の研究は「漢越語研究」(嶺南学報1948)にまとめられている。ベトナム語に借用された中国語を、時代によって「古漢越語」「漢越語」およびベトナムで独自変化した「漢語越化」に分け、「漢越語」のもとになった音は唐代長安音であるとした。
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「音韻学」の例文・使い方・用例・文例
- 音韻学の専門家
- 中国音韻学における,介音という音声
- 中国音韻学で,開音という音声
- 中国音韻学において,開口音という,口の開きが広い音節
- 中国音韻学において,開口と合口
- 中国の音韻学における喉音
- (古代日本の音韻学で)喉内という発音部位
- (古代日本の音韻学で)喉内音という音声
- (音韻学で)五音相通という音韻変化の理論
- 中国音韻学での発音で,合口音という音
- (中国音韻学で)合口音という音
- 中国の音韻学において,次濁という音声
- 中国の音韻学において,次清という音
- 舌音という音韻学上の音
- 音韻学という,音韻を研究する学問
- 音素という,音韻学の最小単位で,意味の違いをもたらす音
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