静脈内投与薬 (非オピオイド系)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 07:16 UTC 版)
「麻酔薬」の記事における「静脈内投与薬 (非オピオイド系)」の解説
麻酔あるいは鎮静を得るために静脈内で使用できる多くの薬物がある。代表的なものは次のとおりである。 バルビツール酸系アモバルビタール(商品名:アミタール) メトヘキシタール(英語版)(商品名:ブレビタール) チアミラール(英語版)(商品名:Surital) チオペンタール(商品名:ラボナール) ベンゾジアゼピン系ジアゼパム(商品名:ジアゼパム) ロラゼパム(商品名:ワイパックス) ミダゾラム(商品名:ドルミカム、ベルセド) エトミデート ケタミン プロポフォール 上記の2種類のバルビツール酸塩、チオペンタールとメトヘキシタールは、超短時間作用型であり、麻酔の導入および維持に用いられる。しかし、それらは意識を失うものの鎮痛作用(痛みの軽減)はないため、他の薬物と併用する必要がある。ベンゾジアゼピン系薬は、手術前または手術後の鎮静(英語版)に用いられるほか、全身麻酔の導入および維持にも使用される。全身麻酔の導入にベンゾジアゼピン系薬剤を使用する場合、ミダゾラムが望ましい。ベンゾジアゼピン系薬は、全身麻酔を必要としない手術中の鎮静にも用いられる。バルビツール酸系と同様に、ベンゾジアゼピン系には鎮痛作用はない。プロポフォールは、全身麻酔の導入および維持に使用される最も一般的な静脈内投与薬の1つである。これは、また、処置中やICUでの鎮静にも用いることができる。上記の他の薬物と同様に、これは鎮痛作用はなく、患者の意識を失わせる。エトミデートは、その良好な生理学的効果のために、主に病気の患者に使用されてきた。ケタミンは、麻酔からの覚醒時に「鮮明な夢、体外離脱、錯覚」などの不快な経験を起こすことがあり、麻酔で使用されることはめったにない。しかし、エトミデートと同様に、生理学的な悪影響が少ないため、緊急時や病気の患者に頻繁に使用されている。ケタミンは、前述の静脈内麻酔薬とは異なり、全身麻酔を導入する用量よりも低い用量でも、深い鎮痛作用が得られる。また、このセクションの他の麻酔薬とは異なり、ケタミンのみを投与された患者は、通常の睡眠に似た他の麻酔状態とは異なり、カタレプシー状態になっているように見える。ケタミンで麻酔をかけられた患者は、深い痛覚消失があるが、目は開いたままにとなり、多くの反射が維持される。
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