酸化防止剤としてのヨウ化物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 00:40 UTC 版)
「ヨウ化物」の記事における「酸化防止剤としてのヨウ化物」の解説
ヨウ化物には酸化防止剤としての役割があり、過酸化水素のような活性酸素種 (ROS) を還元させることができる。シアノバクテリアは最も原始的な酸素発生型光合成生物であり、真核藻類の祖先である。大量のヨウ素(乾燥重量の1 - 3 %)を含む藻類とペルオキシダーゼによって、細胞は大気に有毒の酸素を作り出した。従って藻類の細胞は自らの分子のを酸化から保護するための機能を必要とするが、この役割はヨウ化物とペルオキシダーゼが担っていると考えられている。事実、ヨウ化物は大量に存在する海から得ることができ、食物連鎖において植物プランクトンはヨウ化物、セレン、(そしてn-3脂肪酸)の蓄積の役割を担っている 。 ヨウ化物による酸化防止剤の生化学的機構 2 I- → I2 + 2 e- = -0.54 V 2 I- + ペルオキシダーゼ + H2O2 + 2 チロシン → 2 ヨード-チロシン + H2O + 2 e- (酸化防止剤) 2 e- + H2O2 + 2 H+ (細胞内溶液中) → 2 H2O この機構は有毒な活性酸素種から種を保護するための最も古い機構の一つだと考えられている。 2 I- + ペルオキシダーゼ + H2O2 + チロシン、ヒスチジン、脂質、炭素 → ヨウ素化合物 + H2O + 2 e- (酸化防止剤) ヨウ素化合物:ヨード-チロシン、ヨード-ヒスチジン、ヨード-脂質、ヨード-炭素
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