酸化還元電位(ORP)
酸化還元電位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 04:59 UTC 版)
酸化還元電位(さんかかんげんでんい、Redox potentialもしくはOxidation-reduction Potential; ORP)とは、ある酸化還元反応系における電子のやり取りの際に発生する電位(正しくは電極電位)のことである。物質の電子の放出しやすさ、あるいは受け取りやすさを定量的に評価する尺度でもある。単位はボルト(V)を用い、電極電位の基準には以下の半反応式で表される酸化還元反応を用いる。
- ^ 小嶋文博・刈谷円・細川知子. “食品の酸化還元電位に関する研究”. 盛岡大学短期大学部紀要 第14巻. NAID 110004685986.
酸化還元電位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/30 07:26 UTC 版)
上記の酸化還元電位 (E0) とは、電子伝達体の電子の受け取りやすさおよび放出しやすさの尺度である。一般に 酸化還元電位が高い → 電子を受け取りやすい 酸化還元電位が低い → 電子を放出しやすい すなわち、電子は酸化還元電位の低いほうから高いほうに流れる。酸化還元電位の単位はボルト (V) であるために、エネルギー的には自然数の増加とは逆の表現となり、マイナス方向に大きいと「大」、プラス方向に大きいと「小」となる。 酸化還元電位の測定はその基準に、H2 → 2 H+ + 2 e− という反応を用いるが、水素ガス1気圧、プロトン活量が1モル時の反応であり、生体内においてはこのような極限環境は存在しない(いわゆるpH = 0の状態)。したがって生体内を 25 ℃、pH 7.0 としたときを標準状態としてそのときの酸化還元電位を中点酸化還元電位(E0' あるいは Em,7)とする。電子伝達体の場合は単に酸化還元電位と書くと中点酸化還元電位を意味することが多い。呼吸鎖複合体の酸化還元電位を以下に示す。 NADH: E0' = −0.32 V FADH2: E0' = −0.22 V ユビキノール: E0' = +0.10 V シトクロムc: E0' = +0.25 V 最終電子受容体(酸素): E0' = +0.82 V 電子は上から下に流れ、各呼吸鎖複合体でプロトン濃度勾配を形成する(仕事)。形成されたプロトン濃度勾配を用いてATP合成酵素でエネルギー保存を行う。 酸化還元電位の詳細については、酸化還元電位を参照。
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