酸化還元挙動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 10:00 UTC 版)
過キセノン酸塩は水溶液中で徐々に酸素を発生しながら分解し、キセノン酸イオンを生成する。その速度はpHおよび濃度に依存し0.003mol dm−3の過キセノン酸イオンを含む溶液は、pH=11.5では1時間に約1%が分解し、pH=8では1分間に1%以上が分解し、pH=7以下ではほとんど瞬時に分解する。 2 H 2 XeO 6 2 − + 2 H + ⟶ 2 HXeO 4 − + O 2 + 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {2H2XeO6^2- + 2H^+ -> 2HXeO4^- + O2 + 2H2O}}} pH=7 - 9付近では分解速度は H2XeO2−6 濃度が低いほど遅くなり、pH=11 - 12付近では濃度依存性はほとんど見られない。 過キセノン酸およびそのイオンは強力な酸化剤としてはたらき、その酸化作用は酸性水溶液中で特に著しくなる。その標準酸化還元電位はおよそ以下のような値が見積もられている。 H 4 XeO 6 → 2.36 V XeO 3 → 2.12 V Xe {\displaystyle {\ce {H4XeO_{6}->[{\rm {2.36V}}]XeO3->[{\rm {2.12V}}]Xe}}} , (酸性水溶液) HXeO 6 3 − → 0.94 V HXeO 4 − → 1.26 V Xe {\displaystyle {\ce {HXeO6^{3-}->[{\rm {0.94V}}]HXeO_{4}^{-}->[{\rm {1.26V}}]Xe}}} , (アルカリ性水溶液) 過キセノン酸イオンは酸性においてマンガン(II)イオンを過マンガン酸イオンに酸化する。またヨウ素酸イオンを過ヨウ素酸イオンに、コバルト(II)イオンCo2+をコバルト(III)イオンCo3+に速やかに酸化する。
※この「酸化還元挙動」の解説は、「過キセノン酸」の解説の一部です。
「酸化還元挙動」を含む「過キセノン酸」の記事については、「過キセノン酸」の概要を参照ください。
- 酸化還元挙動のページへのリンク