軌道船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 02:40 UTC 版)
詳細は「オービタ」を参照 軌道船は多くの航空機と似たような形状をしており、主翼は内側が81°、外側が45°の後退角を持った二重デルタ翼で、垂直尾翼の後退角は50°である。主翼の後端には4枚の動翼が取りつけられている。垂直尾翼後端には空力ブレーキも兼ねた方向舵が設置されていて、降下と着陸の際に高揚力装置(フラップ)とともに作動して機体を制御する。 胴体部分のほとんどは直径4.6m、長さ18mの貨物搭載室が占めていて、観音開きの保護ドアによって覆われている。搭載物は通常は機体が水平の状態にあるときに格納され、その後機体とともに発射台上に垂直に設置される。無重力の宇宙空間では、搭載物は飛行士が操縦するロボットアームや船外活動によって放出される。搭載物自体が持っているロケットによって、さらに高い軌道へと投入されることもある。 機体の後端には、メイン・エンジンが三角状に配置されている。エンジンのノズルは上下方向に10.5°、左右方向に8.5°傾けることが可能で、上昇中に推力の向きを変えて機体の進行方向を制御する。軌道船の機体構造は主にアルミニウム合金によって作られているが、エンジン部分の支持構造にはチタニウム合金が使用されている。 軌道船は飛行目的に応じて、軌道実験室(スペースラブ、スペースハブ)、搭載物をより高い軌道に投入するためのロケット(慣性上段ロケット (IUS)、ペイロード・アシスト・モジュール (PAM))、軌道滞在期間延長機器(EDO (Extended Duration Orbiter) キット)、カナダ・アームなど様々な追加機器を搭載することができる。 製造された機体の中で実際に宇宙に行くことができたのは、OV-099チャレンジャー号、OV-102コロンビア号、OV-103ディスカバリー号、OV-104アトランティス号、OV-105エンデバー号の5機である。 オービタに加えられた主な機器の画像 多目的補給モジュール (注:MPLMはシャトル計画ではなくISS計画の構成品) ガリレオ探査機を載せたIUS 衛星を放出するPAM 軌道滞在期間延長 (EDO) 機器 スペースラブ カナダ・アーム
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