規制条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 06:08 UTC 版)
国際的には、1961年に麻薬の乱用を防止する国際条約である麻薬に関する単一条約が公布された。その後、1960年代に医薬品として広く流通した幻覚剤のLSDや鎮静催眠剤の非バルビツール酸系やベンゾジアゼピン系の乱用により、1971年に向精神薬に関する条約が、その乱用を防止する目的で公布された。1988年には、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約が公布された。 2011年には、薬物政策国際委員会が、麻薬に関する単一条約にはじまる薬物との戦いの失敗を宣言し、社会や市民に悲惨な結果がもたらされ失敗に終わったことを宣言し、薬物政策の見直しを求め、有害性と法律が合致していないことも指摘されている。 2018年11月には国連システム事務局調整委員会は、国連システムとしての薬物問題への対処法を確認し声明を出したが、人権に基づくこと、偏見や差別を減らし科学的証拠に基づく防止策や治療・回復を促すこと、薬物使用者の社会参加を促すことといった考えが含まれている。2019年6月には、国際麻薬統制委員会 (INCB) も声明を出し、薬物乱用者による個人的な使用のための少量の薬物所持のような軽微な違反に対して懲罰を行うことを薬物を規制する条約は義務付けておらず、そのような場合には有罪や処罰ではなく治療や社会への再統合という代替策があるとした。
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