薬効・処方
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過去 江戸時代の反魂丹の特徴は龍脳が配合されていることであり、またその他20数種の生薬・鉱物成分が配合された処方であったことが過去の文献にみられる。一例は以下のようなものである。 龍脳、牽牛子、枳実、枳殻、胡黄連、丁子(丁香)、木香、黄芩、連翹、黄連、縮砂、乳香、陳皮、青皮、大黄、鶴虱、三稜、甘草、赤小豆、蕎麦、小麦、麝香、熊香、白丁香、雄黄、辰砂 なお、1874年(明治7年)の毒劇薬取締法施行、不良薬品取締罰則通達、1877年(明治10年)の毒劇薬取扱規則施行などを受け、ヒ素成分を含む雄黄が配合成分から削除され、その後変遷して現代の処方に至る。 当時の反魂丹の薬効について、江戸期から明治期にかけての文献には以下のような記述がある。 『新増補家伝預薬集』には「儒門事親に癇を治すとあり」と記されている。 『上池秘録』には「心痛、腹痛、胃管痛、胸膈痞塞、五噎、五膈、積聚、腹中満悶、吐瀉等の諸庄を治す」と記されている。 『袖珍医便』には「心痛、腹痛、食傷、痢病、泄瀉、積聚、霍乱、吐瀉、又小児の諸疳、驚悸、癲癇等の症を治す」と記されている。 反魂丹の包装等に記載された効能書の変遷。江戸~明治初期と見られるものには「食傷など一切の腹痛、霍乱など眩暈立ち眩み、小児かんむし、酒の酔い醒ましほか万病に用いる」とある。明治に入ると「腹痛・食あたり、癪痞」の記載のみとなった。 現代の反魂丹処方の例 池田屋安兵衛商店の処方(1日量):オウレン末(50mg)、センブリ末(50mg)、ショウキョウ末(30mg)、牛胆末(160mg)、ウルソデオキシコール酸(15mg:熊胆の主成分) 丸三製薬の処方(1日量):アミノ安息香酸エチル(450mg)、オウバク末(450mg)、ロートエキス(60mg)、センブリ末(50mg) 現代における処方による薬効は、消化液および胆汁の分泌促進であり、胃もたれや食欲不振に対する効能がうたわれている。
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