緑釉手付瓶とは? わかりやすく解説

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緑釉手付瓶

主名称: 緑釉手付瓶
指定番号 417
枝番 00
指定年月日 1986.06.06(昭和61.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書 埼玉県大里郡岡部町西浦遺跡第四住居跡出土
員数 1箇
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文: 頸部喇叭状に開き胴部膨らみを持つ徳利の手付瓶である。素地極めて精良で、総体刷毛塗りによる淡い鶯色緑釉薄く施されている。器体は底部円盤作りその上に粘土紐を巻き上げ轆轤挽きによって成形したのである頸部把手周辺には縦に胴部には横に篦整形残される頸部から肩部貼り付けられ把手扁平で、細長い板状造られ下端剣先形を呈す。底は平底で、周縁僅かに迫り出させて高台様に造る
 埼玉県北部には、利根川によって浸食され数多くの低台地形成されその間小河川流れる。本遺品出土した西浦遺跡は、本庄台地櫛挽台地の境に位置し周辺一帯には数多く遺跡包蔵地がある。昭和五十三年発掘調査によって、奈良平安時代竪穴住居跡四九軒、製鉄精錬遺構一四小鍛冶遺構等検出された。本遺品出土した住居跡は、東壁に竈を有する不整隅丸方形呈し遺品は、竪穴中央西寄り床面掘り込まれ小土壙から、灰釉と共に出土した
 緑釉手付瓶は、口縁部僅かな欠損があるものの完好品である。わが国では、徳利形の身に小さ注口付け、口頸部から肩にかけて扁平な把手有する水注は、唐末の越州【えつしゆう】青磁長沙【ちようさ】窯等にその原形求めることができるが、十世後半以降になると注口取りはずされ手付瓶となる。徳利の手付瓶は猿投窯白瓷特徴的な製品のひとつであり、本器のように緑釉施したものもみられる
 形態・釉調等からして黒笹九〇号窯との関係が深く、またその時期も九世紀末から十世初頭位置づけられる遺品である。一方こうした猿投窯各種緑釉灰釉陶器広く全国供給されたことは、各地発掘調査照らしても明らかである。本遺品もその一つであるが、猿投窯製品としては、姿形美しさ造作力強さ施釉技法から見て徳利形(緑釉の手付瓶の代表的優品として陶磁史上資料的価値の特に高いものである
 なお、第四住居跡床面土壙内から共に出土した灰釉瓶については、附指定行い、共に保存を図ることにした。
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考古資料:  紀伊王子神社経塚出土品  紀吉継墓誌  経石  緑釉手付瓶  緑釉水注  緑釉経筒  緑釉骨壺



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