米国慣用単位
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米国慣用単位(べいこくかんようたんい、英語: United States customary units、USCS: United States customary system)は、アメリカ合衆国で一般的に使用されている計量単位である。日本においてヤード・ポンド法と呼ばれているものの一つである。
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- 1 米国慣用単位とは
- 2 米国慣用単位の概要
- 3 米国慣用単位の他の名称
米国慣用単位
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詳細は「米国慣用単位」を参照 1776年の独立宣言以前、後にアメリカ合衆国になる13植民地ではイギリスと同じ単位を使用していた。アメリカ合衆国憲法に先立つ連合規約では、中央政府に「アメリカ合衆国中至る所における度量衡の標準を固定する唯一かつ排他的な権利と権限」を付与した。アメリカ合衆国の成立の後、憲法において「度量衡の標準を固定する」議会の権利を再確認したが、商業と度量衡を管理する権利は個々の州に保留した。 1789年のアメリカ合衆国第1議会(英語版)において、トーマス・ジェファーソンは新しい共和国で使われる通貨と度量衡の計画を作成するよう命じられた。翌1790年の報告書の中で、既存の度量衡はしっかりした物であるが、その基準となる物がアメリカ合衆国の管理下にないことに言及した。彼の報告書では、アメリカ合衆国独自の標準を作成し、十進ベースのシステムを採用するのが適切であると提案されていた。結局、既存の度量衡のまま維持された。 長年、計量単位の一致を確実にするための行動は、連邦レベルでは行なわれなかった。初期の入植者がもたらした単位は、彼らの目的にかなうように見えた。議会も何もしなかった。しかし、東海岸測量局の本部長のフェルディナンド・ルドルフ・ハスラー(英語版)は、彼の故郷のスイスでフランスのMètre des Archives(当時のメートル原器)の写しを得ることができた。1810年、フェルディナンド・ハスラーは、計測器と原器を得るために、財務省によってヨーロッパに送られた。 1827年、米国の大臣はアルバート・ギャラティンはロンドンで英国政府が所有していたトロイポンド原器の「正確な写し」を得た。それは翌1828年にアメリカ合衆国の重量を参照するのに採用された。 1821年、当時の国務長官ジョン・クィンシー・アダムズは、1817年に上院によって委任された研究に基づく、メートル法の採用を推薦した報告書を提出した。しかし、議会は何もしなかった。 1832年、財務省は関税の目的のための長さの単位として36インチのヤード、重さの単位として7000グレーンの常用ポンド、体積の単位として231立方インチのガロン(アン女王のガロン)と2150.42立方インチのブッシェルを採用した。議会がしたことはヤードとガロンのサイズを固定することだけで、アメリカ合衆国の全域で標準を普及させるためには何もしなかった。 19世紀の間、個々の州で独自の標準が発展し、体積ではなく重量(質量)に基づく様々なブッシェルが登場した。それらの値は州によって、対象の商品によって異なっていた。この統一性の欠如は州の間の取引を麻痺させた。そこで、1905年に国立標準局は、統一された標準の欠如と行政監督の手段を議論するための州の会議を招集した。会議は翌年も開催され、その後、米国計量会議(英語版)(NCWM:National Conference on Weights and Measures)として知られる年次集会になった。1915年、米国計量会議は最初の典型的な標準を発表した。ブッシェルは完全には標準化されなかった。シカゴ・マーカンタイル取引所は、2013年5月現在でも商品ごとに異なるブッシェルを使用している。例えば、トウモロコシの1ブッシェルは56ポンド、小麦の1ブッシェルは38ポンド、大豆の1ブッシェルは60ポンド、赤冬小麦(英語版)(硬質・軟質とも)の1ブッシェルは60ポンドである。他の商品の取引は、ポンド、ショートトン、またはメートルトンで行われる。 議会は1866年に、取引でのメートル法の使用を承認した。これは、ラテンアメリカでのメートル法化のプロセスの真っ最中に行われた。また、1875年にメートル条約を批准し、1897年のメンデンホール指令の下で、ポンドとヤードを国際キログラム原器・国際メートル原器に基づいて再定義した。1ヤードは1200⁄3937 mと再定義され、このためイギリスとアメリカで多少の数値の違いが発生することになった。 1901年、度量衡の管理は連邦機関(国立標準局)に移管された。国立標準局は1988年に国立標準技術研究所(NIST)となった。 19世紀の米国の経済成長を麻痺させていた議会の不活発さと度量衡の統一性の欠如は国立標準局の設立につながり、1905年の州の会議の招集の結果米国計量会議(英語版)が始まった。国際度量衡総会(政府間組織)への加盟のような国際関係に関しては米国政府自体が主導しなければならないが、米国内の度量衡の「事実上の」制御はこの民間組織が行っている。 1959年7月、NISTおよびオーストラリア・カナダ・ニュージーランド・南アフリカ・イギリスの相当する組織の間で、ヤードとポンドをキログラムとメートルに基づいて再定義する合意が署名された。これらの新しい単位は、国際ヤード・ポンドとして知られる。議会は、この行動に対し支持も拒否もしなかった( § メートル法との関係を参照)。なお、フィートについての古い値は測量用に残された(測量フィート)。 アメリカ合衆国は、1875年に締結されたメートル条約の原加盟国であり、以降、法律上はメートル法を公式の単位系としている。ヤード・ポンド法をcustomary unit(慣用単位)と呼んでいるのは、そのためである。しかし、メートル条約加盟から1世紀以上も経過している今日でも、アメリカ合衆国では一般にはヤード・ポンド法の方が広く使用されている。1992年以降、日常的に使用する単位をメートル法(国際単位系)へ移行するための連邦政府の取り組み(メートル法化)もあるが、法的にはヤード・ポンド法の使用は禁止されていない。商品のラベルをメートル法のみで記すことは、ニューヨーク州以外では認められている。アメリカ合衆国では、今でも、メートル法への移行に反対する運動がある。
※この「米国慣用単位」の解説は、「ヤード・ポンド法」の解説の一部です。
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