第1の哨戒 1942年9月 - 10月
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「アンバージャック (SS-219)」の記事における「第1の哨戒 1942年9月 - 10月」の解説
9月3日、アンバージャックは最初の哨戒でビスマルク諸島およびソロモン諸島方面に向かった。2日後の9月5日にジョンストン島で給油を行った後、ミリ環礁とマキンの間を通って、ニューアイルランド島の北東海岸からブーゲンビル島間での哨区に到着した。9月15日、アンバージャックはニューアイルランド島のカビエンを偵察する。3日後の9月18日には南緯04度50分 東経154度37分 / 南緯4.833度 東経154.617度 / -4.833; 154.617の地点で駆逐艦が護衛する大船団に遭遇、大型輸送船に対して魚雷を4本を発射して1本の命中と判断される。9月19日、アンバージャックは南緯06度33分 東経156度05分 / 南緯6.550度 東経156.083度 / -6.550; 156.083の地点で特設運送船しろがね丸(日本海運、3,130トン)と駆逐艦を発見し、しろがね丸に向け魚雷を2本発射した。1本がしろがね丸の左舷中部に命中して大破。しろがね丸は駆逐艦天霧に曳航されてショートランド諸島に到着したが、最終的には放棄されて1945年6月30日に除籍された。この戦功によりアンバージャックは殊勲部隊章を受賞した。9月25日夜にも日本艦艇と接触し、駆逐艦に護衛された大型巡洋艦を発見する。しかしながら攻撃開始前に敵駆逐艦に発見されて潜航を強いられ、数発の爆雷が投下されたが、アンバージャックに損傷はなかった。その数日後にはタウ島、キリナイラウ島(英語版)、グリニッジ島、オーシャン島への偵察を行う。9月30日、アンバージャックは南緯06度29分 東経156度01分 / 南緯6.483度 東経156.017度 / -6.483; 156.017の地点で「青葉型重巡洋艦」を発見して魚雷を4本発射したが命中せず、「戦艦」に対しても2本発射したが結果は同じであった。一週間後の10月7日、アンバージャックはカビエン港外で特設運送船(給糧)鮮海丸(嶋谷汽船、2,103トン)を発見。これに対し魚雷を2本発射した。1本は外したものの、もう1本が命中。しかし、鮮海丸は沈む気配を見せず相変わらず航行を続けていたので、アンバージャックはこれを追跡した。1時間後、鮮海丸からアンバージャックに向けて発砲があったが、効果は見られなかった。さらに2時間監視を続けた後、止めの魚雷を1本発射し、その魚雷は鮮海丸の左舷に命中して鮮海丸はついに沈没した。沈没地点は北緯01度55分 東経153度42分 / 北緯1.917度 東経153.700度 / 1.917; 153.700だった。アンバージャックは潜望鏡越しに、鮮海丸の救命ボートが浮いているのを発見した。 10月10日、なおもカビエン港外で監視を続けていたアンバージャックは、獲物を求めて南方のニッセル水道から港内に侵入。南緯02度36分 東経150度48分 / 南緯2.600度 東経150.800度 / -2.600; 150.800の地点で停泊していた特設運送船第二図南丸(日本水産、19,209トン)と6,000トン輸送船に向けて魚雷を4本発射し、魚雷の命中を受けた第二図南丸は沈没を避けるために座礁。後に浮揚して曳航され、日本に戻っていった。10月16日、アンバージャックはバラストタンクの修理のためにエスピリトゥサント島に向かい、10月19日に到着の後修理を実施した。その後、アンバージャックは特別任務としてガダルカナル島とツラギ島に対する補給を命じられた。これより先の10月13日、戦艦金剛と榛名がガダルカナル島のヘンダーソン飛行場を艦砲射撃し(ヘンダーソン基地艦砲射撃)、航空機の他所在の航空ガソリンも砲撃により炎上。このため、緊急に航空ガソリンを輸送する必要が生じた。1番手として駆逐艦メレディス (USS Meredith, DD-434) や艦隊曳船ヴィレオ(英語版) (USS Vireo, AM-52) などからなる小船団がガダルカナル島に向かったが、船団は途中で瑞鶴機に発見され、メレディスは沈没し、ヴィレオ以下生き残った船団は退却して輸送は失敗した。次に輸送艦として選ばれたのがアンバージャックであった。アンバージャックは9,000ガロンの航空ガソリン、200個の爆弾、15名の陸軍航空隊搭乗員を搭載し、10月22日にエスピリトゥサントを出撃してガダルカナル島に急行。10月25日朝、アンバージャックは艦隊曳船セミノール(英語版) (USS Seminole,AT-65) の誘導を受けてガダルカナル島北岸部のルンガ岬に到着し、緊急物資を揚陸。ヘンダーソン飛行場はこれで当面の活動が出来るようになった。任務完了後、アンバージャックはサボ島の北を回り、ブリスベンに針路を向けた。10月30日、アンバージャックは57日間の行動を終えてブリスベンに帰投。潜水母艦グリフィン(英語版) (USS Griffin, AS-13) に横付けして改装を実施した。
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