神経学的所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 21:21 UTC 版)
感覚障害 自覚症状としては手足のしびれなど異常感覚や痛みを訴える。糖尿病性神経障害では左右の足先または足底で症状が最強となる。手指にはじまるしびれは糖尿病性神経障害より第2/3指の場合は手根管症候群、第4/5指の場合は肘部管症候群や頚椎症を疑う。陽性症状は神経障害が軽度でも高血糖などにともなって一過性に生じる場合がある。陰性症状が神経障害を反映する。痛覚や振動覚の低下が客観的な陰性症状の所見となる。振動覚は内踝でC128アルミ音叉を用いて測定する。内踝で10秒以下という基準が「糖尿病神経障害を考える会」での診断基準で書かれている。しかし全糖尿病患者で10%しかこの基準を満たさない。振動覚の障害を検出するには母趾で振動覚を測定したほうが検出率は高い。特に母趾のIP関節背側ならば全糖尿病患者の28%で10秒以下となる。 運動障害 糖尿病性神経障害の運動障害も足先からはじまる。足趾でものをつかむ、つま先で踏ん張るといった行為に影響がでるが患者の多くは自覚していない。客観的には筋萎縮や筋力低下がわかりやすい。筋萎縮は短趾伸筋が最も観察しやすい。骨間筋が萎縮するとハンマー足趾を呈する。母趾外転筋の筋が萎縮すると凹足になる。筋力低下は足趾の内転と外転が評価しやすい。糖尿病性神経障害の患者では足趾を広げるように指示をしても骨間筋の筋力低下で足趾を広げることができないことがある。アキレス腱反射の消失もしばしば認められる。腱反射の消失はJendrassik法で誘発しても出現しないことを確認する。糖尿病患者でアキレス腱反射が消失するとのはおよそ半数であり、高齢者ではアキレス腱反射が消失しても直ちに異常とは言えない。筋痙攣(muscle cramp)は自覚されやすい症状である。これは運動神経の過敏性と異常発射、異常伝搬を反映する。血糖管理を厳密にすると出現しにくくなる。 自律神経障害 起立性低血圧による立ちくらみ、膀胱直腸障害、糖尿病性下痢や発汗異常といった症状をうったえる。糖尿病性下痢は夜間に生じる腹痛を伴わない激しい下痢である。ヘッドアップティルト試験や心電図のCVRRなどがよく行われる検査である。
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神経学的所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 09:38 UTC 版)
「New Ballard スコア」の記事における「神経学的所見」の解説
姿勢:筋緊張は安静時の姿勢に反映される。成熟するにつれて伸展位から屈曲位に移行する。安静時の屈曲は、求心性に進行し、下肢が上肢に先行する。 手の前屈角(手首):手首の柔軟性と伸筋の伸展に対する抵抗により、手首の前屈角(手背を愛護的に押したときの手掌と前腕がなす手関節の角)が決まる。90度超から 0度へと、手首の前屈角は成熟とともにに減少する。 腕の反跳:上肢を伸展させた後の反動の角度を測定することで、上腕二頭筋の受動的な屈筋の緊張を調べる。児を仰臥位とし、検者は片手を乳児の肘の下に置いて、乳児の手を取って支え、検者は肘を短時間屈曲させ、次に腕を一瞬伸展させてから離す。前腕が屈曲に戻る際の、前腕と上腕がなす肘の角度を記録する。180度から 90度未満へと、反動角は成熟とともに減少する。 膝窩角:下肢の伸展に対する抵抗を調べることで、膝伸筋の受動的な屈筋の緊張を調べる。児を仰臥位とし、膝を曲げて大腿を腹部にそっと置く。検査者は片手で足の側面を優しくつかみ、もう片方の手で大腿の側面を支える。抵抗が認められるまで下肢を進展し、大腿と下腿がなす膝関節の角を測定する。 スカーフ徴候:肩甲帯の屈筋群の受動的な緊張を調べる。児を仰臥位とし、検査者は児頭を正中位に固定し、片手で乳児の手を持ち、胸上部を横切らせる。もう一方の手の親指は、乳児の肘に置く。抵抗を感じながら、肘を胸の上でやさしく引っ張る。 踵耳徴候:股関節屈筋群後部の受動的な屈筋の緊張を調べる。乳児を仰臥位とし、屈曲した下肢をベビーベッドの上で静止させる。検査者は、片手で乳児の大腿部を体に沿って横方向に支える。もう片方の手で児の足の両脇をつかみ、同側の耳に向かって引っ張る。骨盤帯屈筋群後部の伸展に対する大きな抵抗を感じる踵の位置を記録する。
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