知的財産権に関する日本の国家資格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 18:39 UTC 版)
「知的財産権」の記事における「知的財産権に関する日本の国家資格」の解説
知的財産権を業務分野とする国家資格には以下のようなものがあり、それぞれの業務範囲は次のとおりである。 弁護士 訴訟事件・審査請求などはもちろん、一般の法律事務(弁護士法3条1項)として何らの制限なく知的財産権に関する業務を行うことができる。 弁理士 弁理士は、産業財産権に関わるすべての手続を代理することができる。すなわち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権に関する特許庁における手続すべて(出願、審査請求、移転登録など)を代理し、またこれらに関する鑑定その他の事務を行うことができる(弁理士法4条1項)。なお、特許料の納付手続についての代理、特許原簿への登録の申請手続についての代理等一定の軽微な業務については、弁理士法による規制が解除されており(弁理士法75条、弁理士法施行令7条)、弁理士でない者(行政書士)であっても行うことができる。 著作権に関する契約代理・媒介業務(弁理士法4条3項1号)や、知財保護に関する相談に応じること(同項3号)もできる。 特定侵害訴訟代理権がある弁理士は弁護士とともに訴訟代理人となり訴訟活動ができる(弁理士法6条の2)。 また、弁理士は行政書士となる資格を有している(行政書士法2条3号)。 行政書士 種苗法関係のほかは、弁護士法・弁理士法などに違反しない限度で知財業務が行える。 「官公署に提出する書類の作成」(行政書士法1条の2第1項)として、育成者権に関する登録・その他の手続に関する書面の作成を行うことができる。 上述のとおり、弁理士業務に該当するもののうち、弁理士法の制限が解除されている軽微な業務については行うことができる。 「権利義務または事実証明に関する書類の作成」(行政書士法1条の2第1項)またはその代理人としての作成(同法1条の3第1項3号)として、知財に関する契約書類の作成も可能であるが、契約交渉はできない(弁護士法72条)。 知的財産管理技能士 企業等において勤務するにあたり、自社の知的財産を適切に管理・活用する能力を有することを国が証明する資格である。あくまで社内勤務のためのスキルを証明する資格であり、法律上の独占業務があるわけではないので、弁護士などでなければできないような他人(他社)の知財業務を受任することはできない。 大企業においても取得を推奨されたり、昇格要件や人事考課の要件とされる場合がある。
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