病原菌として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 04:59 UTC 版)
「ニューモシスチス・イロベチイ」の記事における「病原菌として」の解説
詳細は「ニューモシスチス肺炎」を参照 ニューモシスチス肺炎は、後天性免疫不全症候群 (HIV/AIDS) 患者や、臓器移植後などで免疫抑制状態にある患者(易感染宿主)に日和見感染を起こすことから医学的に重要な菌である。正常な免疫状態のヒトでは常在菌として存在しており、元は経気道的に感染すると考えられている。発症後の予後については、非AIDS患者の方が進行が早く、致死率も高いとされている。これは、ニューモシスチス肺炎の病態がイロベチイに対する過剰免疫で二次的に起こる肺障害であり、免疫機構が破綻しているAIDS患者では反応そのものが起きにくいためと考えられる。また、AIDS患者ではCD4陽性Tリンパ球(ヘルパーT細胞)が200個/μL未満になると発症しやすい一方で、非AIDS患者では必ずしも完全な免疫抑制状態でなくても発症し得ることが知られている。 ニューモシスチス肺炎の肺組織には、グロコット染色(英語版)が有用である。組織像は急性びまん性間質性肺炎と同様で、硝子膜が形成され、II型肺胞上皮細胞が増生しているほか、肺胞内にはHE染色で好エオジン性に染まる泡沫状滲出物が見られる。 イロベチイは一般的な抗真菌薬の多くが無効だが(但しシストはキャンディン系の一部に部分的感受性を示す)、これは細胞膜に含まれるのがエルゴステロールではなくコレステロールであるためである。原虫症治療に用いられるST合剤やアトバコン、ペンタミジンに感受性を持つ。またジアフェニルスルホン(ダプソン)も用いられている。
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