無煙化
無煙化
無煙化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 01:45 UTC 版)
第二次世界大戦前の時点で既に電気動力とディーゼル動力は著しい発展を見せ、蒸気動力の立場を侵食し始めていた。大戦中は、比較的余裕のあったアメリカでディーゼル機関車の導入が進んでいた以外はどの国でも電気・ディーゼル動力への取り組みは一旦休止され、旧来の蒸気機関車の性能を極限まで引き出しながら製造に要する資材と工数を極端に切り詰めた戦時設計の機関車が投入された。この例としてドイツ国鉄52形蒸気機関車や国鉄D52形蒸気機関車の例がある。ドイツ国鉄の52形は蒸気機関車として空前の7,000両以上が製造され、その高性能からドイツ占領地に残された機関車が戦後各国で利用されたばかりでなく同形式の車両の追加製造まで行われた。 戦後は、先進各国で蒸気動力を電気動力・ディーゼル動力に置き換える「無煙化」が進められた。日本では1947年、アメリカでは1948年、フランスでは1952年、イギリスでは1953年、西ドイツでは1957年に蒸気機関車の新規開発が打ち切られた。電気・ディーゼル機関車の増産が進められ、既存の蒸気機関車も次々に運用を外れ、保存用に残された蒸気機関車を除けば、アメリカでは1960年、イギリスでは1968年、日本では1976年、西ドイツでは1978年に蒸気機関車が商業的な運行から撤退した。先進国では遅くまで残った南アフリカでも1992年に運行が中止された。 一方、発展途上国では長く蒸気機関車の運行が続き、中国では1980年代まで蒸気機関車の新規の生産が行われていた。しかし中国でも電化・ディーゼル化が進展しつつある状況にある。
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