泥濘湾連絡船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 08:44 UTC 版)
北政府によって油泥で汚染された阿古張湾、通称“泥濘湾”の両岸を結んでいた切屑大橋が修復不可能な状態になっていることに目をつけた詰腹岬の「漬汁屋」は、定吉とともにプロペラ推進式の平底ザンバニ船で渡船業を興すことを思いつく。盲目ゆえに超能力をもつ少女アサコの助けで、油泥に隠された海中の倒壊建造物や隠れ岩、危険生物などを迂回した安全な航路を開拓し、湾の横断に成功したが、増便しようとしたところでザンバニ船を提供した名士・枕元凍三郎が別の連絡船を開業する。枕元に事実上屈服した漬汁屋は、対岸から陸路開拓に出発する。
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泥濘湾連絡船
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定吉(さだきち) 詰腹岬の住人。漬汁屋とともに渡船を興し、枕元凍三郎の手下にザンバニ船のエンジンと舵の操作方法を習ったことで、事実上の操縦士に決まってしまう。 枕元が自分で渡船業を始めてからは漬汁屋に運行を任されるが、枕元の連絡船の転覆事故調査に対する回答がぞんざいだったせいで運航停止を命じられ、その通告書を海に捨てたことで法治局庁舎に出頭を喰らうことになる。再度許可が下りるまでやることもなく過ごしていたが、二度目の事故のおかげで枕元の連絡船から戻ってきた昔の客を相手に渡船の運営を再開する。 漬汁屋(つけじるや) 肥った男。切屑大橋の柱下に漬汁飯の屋台を持っていたが廃業し、新たに『阿古張湾連絡船』を立ち上げる。 枕元からザンバニ船を買って独自の航路を開拓し、詰腹岬の町を栄えさせる原因を作ったが、枕元自身が渡船業に乗り出してきたことで農作物の買い取りなどに手を広げて失敗し、最終的に渡船を定吉とアサコに任せ、自分は対岸の吊目温泉から西へ伸びる旧自動車ルートの旅に出る。その後の消息は不明。 アサコ 「浅沼ドクタラシ」という生物に噛まれて失明したが、その代わりに波動脳感知という能力を得た少女。色が白く、「天織乙女のように美しい貌」と表現される。 阿古張湾連絡船の航路開拓は、彼女の能力を借りて海中の危険要素を回避したことで達成された。その後も船首で危険生物を感知する役となり、生まれ育った山岳地帯の民衆歌を歌って乗客の人気を呼ぶ。 連絡船再開の日の午後、定吉と結婚する。 枕元 凍三郎(まくらもと とうざぶろう) 詰腹岬の屋敷持ち。漬汁屋に渡し船を勧めた張本人でもある。 その後、客の増加にともなって漬汁屋が新たにザンバニ船の購入を願い出た時はけんもほろろに追い返し、自ら『枕元安全連絡船』を開業、手下を動員して大々的に渡船を始める。しかし二ヶ月後、所属する船がたてつづけに転覆事故を起こしてしまう。 白浜海岸の漁師によると、別に『枕元海運』という企業を持っているらしい。詳細は不明。 サカイダ進 枕元の手下で、定吉とも顔なじみの二十歳になったばかりの若者。2回目の事故の時に船の操舵を担当していたが、プロペラに首をはねられ死亡する。 抓皮伊舟(つねりかわ いしゅう) 法治局の役人。見るものが思わずたじろぐ程の真四角な顔をしている四十年配の男。枕元の船の事故の調査にやってきた。枕元の船の2回目の事故の時に船に乗り合わせ、全身油泥まみれの上、失神状態で救助された。水運課長に事故の調査を命じる。 ゴーグルの男(—おとこ) 阿古張湾連絡船第一便の客。革の耳あてがついたゴーグルをつけている。「剣つきカマキリのように」手足が妙に長い。 船を海中から拘束したからみ藻を引きはがすやり方を定吉に教える。枕元の事故後、吊目温泉からの帰り船に現れるが、漬汁屋の消息を聞かれて首を振る。
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