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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

ひょうてん 0 1 【氷点】

(1)一気圧のもとで、空気飽和したと氷が平衡状態にある時の温度。すなわち、が凍る温度摂氏〇度。

(2)物体凍りはじめる温度凝固点


氷蓄熱システム用語集

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ひょうてん 氷点 ice point freezing point



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氷点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/16 14:14 UTC 版)

氷点』(ひょうてん)は、クリスチャン作家三浦綾子小説。『朝日新聞』朝刊に1964年12月9日から1965年11月14日まで連載され、続編の『続氷点』が1970年5月12日から1971年5月10日まで連載された。なお、挿絵は福田豊四郎が担当した。

1963年に朝日新聞社が、大阪本社創刊85年、東京本社創刊75周年を記念する事業として懸賞小説を募集した時の入選作品である。賞金は当時としては破格の1千万円であり、募集要領には「既成の作家、無名の新人を問わない」とあったが、実際に無名であった三浦の作品が入選したことは大きな話題となった。連載終了直後の1966年にテレビドラマ化および映画化され、以降繰り返し映像化されている。

なお、一千万円懸賞小説でこれ以外の入賞作品は「2席・山家慕情(志田石高)」、「2席・享保長崎記(山脇悌二郎)」「2席・異郷の人(高木俊朗)」などであった。

継母による継子いじめ、義理の兄妹間の恋愛感情などの大衆的な要素を持つ一方、キリスト教の概念である「原罪」が重要なテーマとして物語の背景にある。続編のテーマは罪に対する「ゆるし」であり、これらのテーマには三浦の宗教的な立場が色濃く反映されている。

物語の舞台となった旭川市外国樹種見本林には、三浦綾子記念文学館があり、本作の資料も数多く展示されている。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

あらすじ

(『氷点』)昭和21年(1946年)、旭川市在住の医師辻口啓造は、妻の夏枝が村井靖夫と密会中に、佐石土雄によって3歳の娘ルリ子を殺される不幸に遭う。啓造は夏枝を詰問することもできず、内に妬心を秘める。ルリ子の代わりに女の子が欲しいとねだる夏枝に対し、啓造はそれとは知らせずに殺人犯佐石の娘とされる幼い女の子を引き取る。女の子は陽子と名付けられ、夏枝の愛情を受けて明るく素直に育つ。

陽子が小学1年生になったある日、夏枝は書斎で啓造の書きかけの手紙を見付け、その内容から陽子が佐石の娘である事を知る。夏枝は陽子の首に手をかけるが、かろうじて思いとどまる。しかし、もはや陽子に素直な愛情を注ぐことが出来なくなり、給食費を渡さない、答辞を書いた奉書紙を白紙に擦り替えるなどの意地悪をするようになる。一方の陽子は、自分が辻口夫妻の実の娘ではない事を悟り、心に傷を負いながらも明るく生きようとする。

辻口夫妻の実の息子である徹は、常々父母の妹に対する態度を不審に思っていたところ、両親の言い争いから事の経緯を知る。両親に対するわだかまりを持ちつつ、徹は陽子を幸せにしたいと願う。その気持ちは次第に異性に対するそれへと膨らむが、陽子のために自分は兄であり続けるべきだという考えから、大学の友人である北原邦雄を陽子に紹介する。

陽子と北原は互いに好意を持ち、文通等で順調に交際を進める。しかし、陽子が高校2年生の冬、夏枝は陽子の出自を本人と北原に向かって暴露し、陽子は翌朝自殺を図る。その騒動の中、陽子の本当の出自が明らかになる。

表題の「氷点」は、何があっても前向きに生きようとする陽子の心がついに凍った瞬間を表している。その原因は、単に継母にひどい仕打ちを受けたという表面的なものではなく、人間が生まれながらにして持つ「原罪」に気付いたことであると解釈される。

(『続氷点』)一命を取り留めた陽子であったが、実の父親が佐石ではないと聞かされても心が晴れないばかりか、不倫の関係であった実の両親やその結果生まれた自分に対して複雑な感情を抱く。徹は陽子の実母三井恵子に会い、陽子の近況を告げる。動揺した恵子は車の運転を誤り、事故を起こす。その経緯に不審を抱いた恵子の次男達哉は、大学で母にそっくりな陽子に出会う。事の真相に近付いた達哉は冷静さを失い、無理に陽子を恵子に会わせようとするが、それを阻もうとする北原を車で轢いてしまう。作中最後の場面で陽子は、夕日に照らされた真赤な流氷を見ながら、人間の罪を真に「ゆるし」得る存在について思いを馳せる。

登場人物

辻口陽子
辻口家の養女。芯が強く、自分は常に正しくありたいという潔癖な思いを持つ。養父の啓造に、彼の実子ルリ子を殺した佐石の娘として引き取られたが、実際の両親は中川光夫と三井恵子。
辻口啓造
夏枝の夫。陽子の養父で徹とルリ子の実父。辻口病院の院長として社会的に高い地位にあり、人格者で通っているが、無垢な陽子と比較すると俗物的な内面を持つ。「汝の敵を愛せよ」の実践であると自分に言い聞かせ、佐石の娘とされる陽子を引き取ったが、その背景には妻の夏枝に対する嫉妬心や復讐心があった。洞爺丸事故で九死に一生を得る。その際に出会った宣教師が自分の命を省みずに他人に救命具を与えたことに心を打たれ、キリスト教に興味を持つ。
辻口夏枝
啓造の妻。陽子の養母で徹とルリ子の実母。美人で働き者であるが、父親に甘やかされて育てられた為、相当自己中心的である。陽子をルリ子の生まれ代わりとして可愛がるが、佐石の娘と知ってからは逆に疎ましく感じ、嫌がらせさえしてしまう。高木医師の告白で陽子が佐石の娘でないことが判り陽子にそれまでのことを償おうとする。
辻口徹
辻口家の長男。幼い頃から妹の陽子を可愛がり、常に陽子の味方であろうとする。血が繋がっていないことを知り、陽子を異性として見るようになるが、兄として北原を陽子に紹介する。しかし、葛藤の末自分の思いを陽子に伝える。
辻口ルリ子
辻口夫妻の実子。わずか3歳にして佐石に殺される。
北原邦雄
徹の友人で、陽子を真摯に愛する好青年。お互いに最も近しい間柄と認め合うが、陽子の自殺未遂後、徹への遠慮などから一時疎遠になる。
高木雄二郎
啓造の友人で産婦人科医。学生時代に夏枝に求婚して断られた経緯があるが、豪放磊落な性格で、その後も辻口家と交流がある。佐石の娘を引き取りたいという啓造に対し、表向き承諾した振りをしながら別の女児を引き取らせた。
藤尾辰子
夏枝の友人で日本舞踊の師匠。きっぷのよい性格で人望があり、彼女の家には常に雑多な人々が集まっている。陽子を可愛がり、養子にしたいとまで申し出る。若い頃に人知れず子供を生んで死なせた経験を持ち、その後独身を通している。
村井靖夫
辻口病院に勤務する眼科医。夏枝にアプローチする一方で、松崎由香子に関係を強要する。別の女性と結婚して二女をもうけるが、その結婚生活も破綻する。
松崎由香子
辻口病院の事務員で、啓造に憧れを抱いている。夏枝に近付く村井に釘をさすが、それを逆手に取った村井に関係を迫られる。思い悩んだ末に啓造に告白し、直後に失踪する。約十年後、盲目となりマッサージ師をしているところを啓造と再会。辰子と打ち解け合い、彼女の家に引き取られる。
佐石土雄
ルリ子を殺した犯人。関東大震災で両親を失い、伯父に引き取られるが、16歳でタコ部屋に売られる。内縁の妻が女児出産とともに死亡し、育児と日雇い労働で日々を過ごしていた。発作的に行きずりのルリ子の首を絞め、自身も留置所で首を吊る。
三井恵子
陽子の実母。夫の出征中に、中川光夫と愛し合って陽子を生む。中川は陽子が生まれる前に心臓麻痺で死に、恵子は陽子を育児院に預けた。夫との間には二男がいる。
三井達哉
恵子の次男で陽子の異父弟。母の恵子を偶像視している。一年遅れて大学に入学した陽子と同学年になり、母に似ている彼女に興味を持って近付く。
三井弥吉
恵子の夫。戦時中、上官の命令により虐殺に加担した経験を持つ。妻の不貞を知りつつ、知らない振りをしてきた。その心境を綴った手紙を辻口家に送る。
相沢順子
佐石の実子。4歳で相沢家に引き取られた。一見して何の悩みも無さそうな明るい娘。偶然に陽子や徹と友人になり、徹に好意を持つ。実の父の佐石を憎んでいたが、キリストの贖罪により救われたと語る。



  1. ^ 引田惣弥『全記録 テレビ視聴率50年戦争―そのとき一億人が感動した』講談社、2004年、95頁、223頁。ISBN 4062122227
  2. ^ 三浦綾子「氷点あれこれ」『氷点を旅する』p. 36. 初出は警視庁『自警』1967年4月号
  3. ^ a b 三浦光世「小説氷点に思う」『氷点を旅する』p. 60. 2004年3月
  4. ^ 三浦綾子『草のうた』角川書店、1986年 ISBN 978-4048724524
  5. ^ 高野斗志美「愛に満ちた生涯」『氷点を旅する』p. 88. 1998年3月
  6. ^ 「小説氷点を終わって」『氷点を旅する』p. 164. 初出は「朝日新聞」1965年11月15日
  7. ^ 旭川・忠別川に建設中の橋 「氷点橋」「クリスタル橋」に - 47News・2010年10月1日


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