材料の構成式
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材料の構成式(ざいりょうのこうせいしき、英: constitutive equation of materials)とは、物体を構成する物質の外的作用に対する応答特性を表現する関係式である。構成方程式は物質の特性を反映する関係式であるため、材料定数と呼ばれる物性量が必ず含まれている[1]。現実の物質は離散的な原子や分子の集まりであるが、構成方程式はこれらの詳細には立ち入らず連続体として理想化した場合における物理量の間の関係を記述する。材料力学においては物質の力学的特性、すなわち、外力に対する変形を表現する応力-歪みの関係式が構成方程式と呼ばれる。より広くは電磁気的な関係まで含めて構成方程式と呼ばれるが、熱力学的な関係を含む場合は状態方程式と呼び分けられる。
- ^ 京谷孝史 著、非線形CAE協会 編『よくわかる連続体力学ノート』森北出版、2008年、211頁。ISBN 978-4-627-94811-2。
- ^ 北野 (2015)
- ^ Particle Data Group
構成式
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血液の剪断応力と剪断速度の関係は実験的に測定され、構成式により表される。複雑な血液のマクロ流動学的な振る舞いを考えれば、種々の流動学的変数(ヘマトクリットや剪断速度など)の効果を記述するのに単一のモデルでは表現できない可能性も考えられる。実際に、実験的データのカーブフィッティングや特定の流動学的モデルに基づくものなど、様々なアプローチによる構成式が存在する。 ニュートン流体モデル 全ての剪断速度で粘度が一定であるモデル。このモデルは高い剪断速度 ( γ ˙ > 700 s − 1 {\displaystyle {\dot {\gamma }}>700\,s^{-1}} ) かつ血管径が血球より遥かに大きい場合において適用可能である。 ビンガム流体モデル 赤血球の低い剪断速度での凝集を考慮に入れたモデル。降伏応力の閾値付近では弾性体のように振る舞う。 アインシュタインモデル μ a = μ 0 × ( 1 + k H ) {\displaystyle \mu _{a}=\mu _{0}\times (1+kH)} μ0 は懸濁流体のニュートン粘度、k は粒子の形状に依存する定数、H は粒子の体積の割合。この構成式は粒子の占める体積割合が小さい懸濁流体に適用出来る。アインシュタインは球状粒子の場合は k = 2.5 であることを示した。 Cassonモデル τ 0.5 = a | γ | 0.5 + b 0.5 {\displaystyle \tau ^{0.5}=a|\gamma |^{0.5}+b^{0.5}} a と b は定数。剪断速度が非常に小さい時は b が剪断応力に寄与する。実際の血液での実験データでは、単一の定数 a, b の組み合わせでは剪断速度の全範囲でフィットしないが、剪断速度の範囲を分割して複数の定数の組み合わせを当てはめることにより良好な再現性が得られる。 Quemadaモデル μ a = μ 0 ( 1 − 0.5 k H ) − 2 {\displaystyle \mu _{a}=\mu _{0}(1-0.5kH)^{-2}} k = k 0 + k ∞ γ r 0.5 1 + γ r 0.5 {\displaystyle k={\frac {k_{0}+k_{\infty }\gamma _{r}^{0.5}}{1+\gamma _{r}^{0.5}}}} γ r = γ γ c {\displaystyle \gamma _{r}={\frac {\gamma }{\gamma _{c}}}} k0, k∞, γc は定数。この構成式は広範囲の剪断速度での血液データを当てはめたものである。
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