東寺観智院聖経類(一万五千四百二件)
主名称: | 東寺観智院聖経類(一万五千四百二件) |
指定番号: | 2422 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1986.06.06(昭和61.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | |
員数: | |
時代区分: | 奈良~江戸 |
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解説文: | 東寺観智院の宝蔵である金剛蔵に伝来した聖教類で、奈良時代から江戸時代に及ぶ総数一万五千四百二件からなる厖大な内容を伝え、質量ともに優れたわが国最大の聖教遺品である。 中世に東寺は多数の荘園を有する寺院として発展するが、それとともに観智院以下の塔頭が建立されて教学の充実がはかられた。ことに南北朝時代には観智院初代の杲宝【ごうほう】、二代賢宝を中心に教学上に必要な聖教類の書写・蒐集が積極的に行われ、現在の観智院聖教の基礎が作られ、江戸時代に第十二代杲快、十三代賢賀によって、これらの修理、分類が行われた。この聖教類の中心となるものは、大別すると、南北朝時代前後に杲宝、賢宝らの学僧によって撰述、書写されたものと、彼らが比叡山や南都など諸方から蒐集した仏教典籍類などである。 東寺学僧の書写本としては、三宝と称された頼宝、杲宝、賢宝らの著述本がまとまって伝存しており、その自筆本、草稿本も多数含まれている。特に杲宝の講義と賢宝が筆録した『悉曇字記抄』をはじめとする悉曇関係資料がまとまっているのは貴重である。また賢宝が先師杲宝の三回忌供養のため、師の書状の紙背に書写した『仏頂最勝陀羅尼経』、杲宝筆になる『東寺長者補任』なども注目される。 蒐集になる古写本としては、悉曇関係では霊厳寺和尚円行本と伝える『悉曇章【しつたんしよう】』は平安時代前期のもので、この種の資料として最古本と認められるものである。また平安時代説話集の『注好選』の仁平二年(一一五二)の写本は、この古写本として唯一のものである。その他俊乗房重源の伝来と伝える宋版『般若心経疏』や長楽寺版『大仏頂首楞厳経』などの稀覯本が多い。 これら観智院聖教類は、仏教史研究上は言うまでもなく、歴史、国文、国語、美術史等の諸分野にわたって比類のない資料の宝庫である。 |
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