有史以降における絶滅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 01:00 UTC 版)
有史以降の生物の絶滅は、人間の活動が原因となる場合が多い。特に大航海時代以降、人や物品の移動が大きくなってからは世界的な規模で起こるようになった。もっとも、西洋人の影響のないところでも、ニュージーランドでジャイアントモアなどの鳥類が絶滅している。 絶滅に至る過程やその原因はさまざまである。直接の狩猟の対象となって全滅に至ったもの(ステラーダイカイギュウ・リョコウバト・オオウミガラスなど)、害獣駆除などの名目で殺されたもの(フクロオオカミ、ニホンオオカミなど)、ペット用に乱獲されたもの(ゴクラクインコ、ミイロコンゴウインコなど)人間が持ち込んだ他種の生物の影響によるもの(ドードー・スティーブンイワサザイなど)、人間の影響で生息環境を壊されたもの(クニマスの田沢湖個体群・ガルハタネズミ・パレスチナイロワケガエルなど)などその理由はさまざまであり、また複合した原因によることも少なくない。もちろん原因不明のものも数多く存在する。野生ウマの一種ターパンは、生息地近くの牧場から家畜の雌ウマを連れて行き自分のものにした結果、害獣として殺されるとともに家畜ウマとの混血が進んで絶滅した。 海洋島や独立した水系では、環境に特化した固有種により安定した生態系が維持されていることがあり、些細なきっかけで生態系のバランスが崩れる場合がある。他の場所から生物(特にネコ・ネズミなど)が持ち込まれることで、在来の固有種がほとんど全滅に近い被害を受ける(あるいは本当に全滅する)場合があり、注意を要する。また、亜種レベルの差異ならば他の亜種との交配が可能であり、「自然を回復させる」との名目で他の場所から生物を持ち込むことは、多様性を失わせて亜種を消滅させることにもなりかねず、却って種の保全にはマイナスともいえる事態を引き起こす場合もある。 また、最近は伐採等による熱帯雨林の減少・細分化が顕著となっている。そこに生息する動植物については、研究が進むにつれて予想を遙かに超える多様性が指摘されていることから、その多くが知られることもなく絶滅しているのではないかと懸念されている。
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