探査機と観測装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 07:15 UTC 版)
「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の記事における「探査機と観測装置」の解説
コロラド州デンバーにあるロッキード・マーティン・アストロノーティクス社 (Lockheed Martin Astronautics) で組み上げられたサーベイヤー探査機は、直方体型の胴体からそれぞれ反対側に向かった2つの翼のような太陽電池板がのびた形状をしていた。打ち上げ時に燃料を満載した状態での探査機の質量は1060キログラムであった。その質量の大部分をになう中心の直方体のモジュールは実際には互いに接した2つの直方体のモジュールからなっており、その一方の機器モジュール (equipment module) と呼ばれたものには探査機の電子機器、観測装置、コンピュータ (1750A(英語版)) が搭載されていた。他方のモジュールは推進モジュール (propulsion module) と呼ばれ、サーベイヤーのロケット・エンジンや燃料タンクを抱えていた。 サーベイヤーには科学的観測のために5つの装置が搭載されていた。 MOC (Mars Orbiter Camera) 火星表面を撮影する 3 種のカメラで、マリン・スペース・サイエンス・システムズ(英語版)社 (MSSS) によって運用された。 MOLA (Mars Orbiter Laser Altimeter) 赤外 (Nd:YAG) レーザーを火星表面に向けて発射し、反射光から表面高度を 0.3 m の精度で細かく精密に測定した。 TES (Thermal Emission Spectrometer) 熱放射スペクトロメータ。赤外線の分光測定により大気や表面の組成を測定した。 MAG/ER (Magnetometer / Electron Reflectometer) 磁力計。 USO/RS (Ultrastable Oscillator for Doppler measurements / Radio Science) ドップラー計測のための高安定発振装置。高精度の時計として探査機の通信と組み合わせることにより、探査機の微弱な速度変化を測定し重力異常の測定に用いられた。 この他、サーベイヤーは通信衛星としての役割りも担っていた。2004年に2機が火星表面に着陸しそれぞれ探査車(ローバー)を投入したマーズ・エクスプロレーション・ローバー (MER) は探査車と地球との通信のためにサーベイヤーを中継していた。
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