拒食とは? わかりやすく解説

拒食

【英】:Refusal to feed, Apocleisis

全く摂食しない状態で、食物与えて摂ることを拒む
イヌサル

神経性無食欲症

(拒食 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 15:39 UTC 版)

神経性無食欲症(しんけいせいむしょくよくしょう、: anorexia nervosa ; AN)とは、極度の栄養摂取拒否とそれによる病的な痩せを主徴とする神経性の摂食障害であり、精神疾患の一種である[1][2][3]。一般人には拒食症の名で知られていて、1689年にこの病気はイギリスのモートンR.Mortonにより初めて症状例が記載され,1873年にウィリアム・ガル(W.W.Gull)により命名された。摂食行動の異常としては、不食のほかに盗み食い、激しい過食などもみられ、また嘔吐・下剤乱用もある。身体症状としては、やせ以外に無月経がほとんど必発する。患者の多くは若年層の女性であり、ボディ・イメージへの強迫観念(「自分は太っている」と考えること)、食物摂取の不良または拒否、体重減少を特徴とする。アノレキシア(アノレクシア)とも言われる。他には神経性やせ症神経性食欲不振症神経性食思不振症思春期やせ症(青春期やせ症)とも言われる[2][3]


  1. ^ “プライドの高い人”とは、一般に自己評価の低い人である。だから、他人からの評価によって傷つくのである。逆にいえば、他人からの評価によって揺らぐような低い自己評価所持者が「プライドの高い人」と周囲から認識されることになる。( 中井久夫 (2011) p. 146)
  1. ^ 水島広子 (2009) pp. 14 - 15.
  2. ^ a b 第2版,世界大百科事典内言及, 世界大百科事典. “神経性食思不振症とは”. コトバンク. 2021年10月29日閲覧。
  3. ^ a b “【食思不振症とは】声優杉本沙織さん死去 神経性の摂食障害の一型”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年10月29日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202110290000396.html 2021年10月29日閲覧。 
  4. ^ a b 髙倉修、鈴山千恵、山下真、波夛伴和、須藤信行 (2017). ストレス関連疾患としての摂食障害-病態と治療- 心身医学 2017年 57巻 8号 p.797-804, doi:10.15064/jjpm.57.8_797
  5. ^ 切池信夫 (2004) p. 32.
  6. ^ 高木洲一郎、浜中禎子 (2011) p. 10.
  7. ^ 水島広子 (2001) p. 37.
  8. ^ 市橋秀夫 (2012) p. 32, 134.
  9. ^ 魔女と聖女 池上俊一
  10. ^ 「神経性消耗病(nervous consumption)」リチャード・モートン著 1689年
  11. ^ 健康文化 16号「拒食症と文化」 渡辺美樹[1]
  12. ^ 下坂幸三 (2007) pp. 309 - 310.
  13. ^ アメリカ精神医学会 DSM-IV-TR (2004) pp. 559 - 565.
  14. ^ 世界保健機関 ICD-10 (2005) p. 187.
  15. ^ 西園マーハ文 (2010) p. 2.
  16. ^ スティーヴン・ワイリー・エメット (1986)
  17. ^ 市橋秀夫「肥満恐怖の社会文化的影響」『精神科治療学』第12巻第12号、1997年、1405-1412頁。 
  18. ^ 市橋秀夫 (2006) pp. 134 - 142.
  19. ^ 松木邦裕 (1997) pp. 21 - 33.
  20. ^ 松木邦裕 (2008) pp. 17 - 20.
  21. ^ 切池信夫 (2009) pp. 41 - 59.
  22. ^ Martinez-Gonzalez MA, Gual P, Lahortiga F, Alonso Y, de Irala-Estevez J, Cervera S. (2003). “Parental factors, mass media influences, and the onset of eating disorders in a prospective population-based cohort.”. Pediatrics. 111 (2): 315-320. PMID 12563057. 
  23. ^ 2021年度コロナ禍の子どもの心の実態調査 摂食障害の「神経性やせ症」がコロナ禍で増加したまま高止まり”. 国立成育医療センター. 2023年4月22日閲覧。
  24. ^ Deep AL, Lilenfeld LR, Plotnicov KH, Pollice C, Kaye WH. (1999). “Sexual abuse in eating disorder subtypes and control women: the role of comorbid substance dependence in bulimia nervosa.”. Int J Eat Disord. 25 (1): 1-10. PMID 9924647. 
  25. ^ 磯野真穂「摂食障害において親を発症原因とすることの意義と弊害 : 拒食症の1事例に対する「物語」の視点を用いた質的解析」『心身医学』第53巻第9号、日本心身医学会、2013年、849-856頁、doi:10.15064/jjpm.53.9_849ISSN 038503072023年6月8日閲覧 
  26. ^ Gard MC, Freeman CP. (1996). “The dismantling of a myth: a review of eating disorders and socioeconomic status.”. Int J Eat Disord. 20 (1): 1-12. PMID 8807347. 
  27. ^ Cnattingius S, Hultman CM, Dahl M, Sparen P. (1999). “Very preterm birth, birth trauma, and the risk of anorexia nervosa among girls.”. Arch Gen Psychiatry. 56 (7): 634-638. PMID 10401509. 
  28. ^ a b 拒食症女性は脳の特定部位が縮小 福井大チームが10代患者比較福井新聞、2015年9月9日
  29. ^ 西園文 (2004) pp. 16 - 18.
  30. ^ 野間俊一 (2003) pp. 149 - 154.
  31. ^ 中里 道子 (2021). “摂食障害の動機づけについて”. 日本摂食障害学会雑誌 1 (1): 12-18. 
  32. ^ a b 『摂食障害治療ガイドライン』「摂食障害治療ガイドライン」作成委員会、医学書院、2012年、99-109頁。
  33. ^ 伊藤 絵美 (2008). 事例で学ぶ認知行動療法 誠心書房, 200-204頁.
  34. ^ 伊藤 絵美 (2008). 事例で学ぶ認知行動療法 誠心書房, 202-204頁.
  35. ^ 伊藤 絵美 (2008). 事例で学ぶ認知行動療法 誠心書房, 203-204頁.
  36. ^ Levinson, C. A., & Rodebaugh, T, L. (2012). Social anxiety and eating disorder comorbidity: The role of negative social evaluation fears. Eating Behaviors, 13, 27-35.
  37. ^ 青木 宏之 (1997). 摂食障害患者の精神発達と環境――認知行動療法の立場から―― 岩本 隆茂・大野 裕・坂野 雄二(編)認知行動療法の理論と実際 (pp. 191-193) 培風館
  38. ^ 水島広子『「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識』日東書院、2009年、87-89頁。 
  39. ^ 日本摂食障害学会 (2012) p. 127.
  40. ^ 神経性やせ症患者の不安に対するマインドフルネス瞑想の効果―脳活動の変化を明らかに―”. 京都大学 (2023年2月2日). 2023年4月21日閲覧。


「神経性無食欲症」の続きの解説一覧

拒食

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 01:45 UTC 版)

神経性無食欲症」の記事における「拒食」の解説

神経性無食欲症爆発的に増加したのは、1960年代から1970年代にかけてと言われる1966年にはイギリス出身モデルであるレズリー・ホーンビーデビューしツイッギートゥイッギーまたはトゥイギーとも。「小枝のような」「ほっそりした」の意)という愛称親しまれた。「妖精」と謳われた華奢な体型の彼女は、ロンドン行われた人気アンケート年々順位上げ1976年には首位立っている。社会価値観それまでグラマラス女性像代わりスリムな女性理想像として迎えた。やせていることは克己心禁欲美しさ、高い精神性などの隠喩込められており、今や「やせることは女性にとって価値があること」になった摂食障害の人にとって、この「価値があること」がキーワードなのである自分には何の取り柄も無いという自己不信根底抱える人は、その抑うつ防衛するために、人とは際立って違う、優れた特別な自分であり続けなければならない。彼らは幼い頃から常に「自分自分上でなければならない」という強迫観念支配されている。やせを実現するには、食欲抑え自分打ち克つ必要がある。やせる事に成功した時には自分コントロールすることが出来たという万能感得られる幼い頃から課題挑戦し自分打ち克って結果得てきた彼らは、結果を出す事で得られる賞賛万能感により、中核にある自己不信救済する。 彼らは負けず嫌いであり、そしていつも負けていると思っている。現実の中で特別な価値獲得失敗した人は、「せめてやせていない取り柄がない」という感覚から、誰もが望み簡単に出来ないダイエットへと挑戦する。やせることは最も身近な外的価値収得であり、ダイエット成功直接的に自己価値高める。それはやせることには価値があり、その為に努力しなければならないからである。価値意識は「どれだけやせているか」へと変換され体重増加恐ろしいほどの価値低下に繋がる。他と変わらない体重は「並」「平凡」「普通」であるため、輝くことで自己不信払拭してきた彼らには決し許容することが出来ない。やせを希求する女性にとって、男性はほとんど意識されておらず、その競争相手は同じ女性である。人よりやせていることは、現代社会価値観においては勝った」ことに繋がる。人よりやせる事は、常に人より上に立ちたい、勝ちたい輝きたいと願う彼らの存在証明でもある。拒食は自己愛病理深く関連しており、自己愛心性を扱うことが求められる詳細は「摂食障害#病理学」を参照

※この「拒食」の解説は、「神経性無食欲症」の解説の一部です。
「拒食」を含む「神経性無食欲症」の記事については、「神経性無食欲症」の概要を参照ください。

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