投身自殺
『捜神記』巻11-32(通巻294話) 宋の康王の侍従・韓憑が、何氏という妻を迎えた。何氏は美人だったので、王は彼女を奪い取った。韓憑は捕らえられ、やがて自殺した。それを知った何氏は、王に連れられて高台へ登った時に、身を投げた。前もって着物を腐らせておいたので、近侍の者たちは、何氏の身体をつかまえることができなかった。
『風車小屋だより』(ドーデー)「アルルの女」 20歳の百姓青年ジャンが、アルル出身の女を熱愛し、結婚式の日取りも決まる。1人の男が現れ、「あの女は、この2年間、私の情婦だった」と教える。結婚は取りやめになり、ジャンは悲しみに沈む。ある朝、ジャンは屋根裏部屋へ駆け上り、窓から庭の敷石へ身を投げて死んだ。
『蒙求』279「緑珠墜楼」 石崇(=季倫)は、妓女の緑珠を寵愛した。中書令孫秀が緑珠に横恋慕し、邪魔な石崇を捕らえて殺すべく、兵を送った。石崇が緑珠に「私はお前ゆえに罪を得た」と言うと、緑珠は泣いて詫び、楼上から身を投げて死んだ。石崇も処刑された。
*露台から投身自殺する→〔横恋慕〕2の『トスカ』(プッチーニ)。
『壺坂霊験記』 按摩沢市は疱瘡で眼がつぶれた。妻お里は「夫の眼が開くように」と、壺坂寺の観音に願をかける(*→〔夜〕2a)。沢市は「眼は治らぬもの」と悲観して、壺坂寺の裏山から深い谷底へ身を投げ、お里もそのあとを追う。しかし谷底へ落ちた2人は、無事であった。観音菩薩の化身である神童が現れて、「妻の貞節と信心の功徳により、命を助けよう」と告げ、沢市の両眼も開いた。
『めまい』(ヒッチコック) 実業家ギャヴィンが妻マデリンを殺し、死体を教会の高い塔の上へ運ぶ。マデリンそっくりの女ジュディが塔に駆け上がり、飛び降りるふりをして隠れる。ギャヴィンの友人スコッティは、「マデリンが投身自殺する」と思い、とめようとするが、彼は階段を上がる途中で動けなくなる(*→〔恐怖症〕1)。その間にギャヴィンは、マデリンの死体を塔の上から投げ落とす〔*後にスコッティは街でジュディを見かけ、彼女がマデリンに瓜二つであることから、ギャヴィンのマデリン殺しを察知する〕。
飛び降り
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