後世の評価・人物像とは? わかりやすく解説

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後世の評価・人物像

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 04:04 UTC 版)

トマス・ウェントワース (初代ストラフォード伯爵)」の記事における「後世の評価・人物像」の解説

ストラフォード伯生きた17世紀は、イングランドピューリタニズム浸透しはじめた時代であった独立派長老派などピューリタンは、イングランド国教会ヒエラルキー構造批判したのみならず党派によっては千年王国論など政治面でのドラスティック改革要求する存在であったこうした層がイングランド生まれてきていたなかで、ストラフォード伯従来教会・国家像を堅守する保守側の政治家であったストラフォード伯生涯でジョン・サヴィルやバッキンガム公など幾人かの政敵対峙した。彼らとの対立は深刻で、生き残るためには冷酷さ残忍さ持ち合わせている必要があった。映画クロムウェル」などで悪役として描かれているのは、こうした冷酷な面を有していたことによる。またピューリタニズム浸透が薄いイングランド北部に生を享けストラフォード伯にとって、政治的ピューリタニズム反逆的危険思想映ったストラフォード伯政治的な理想国王議会調和であったストラフォード伯にとって議会の権限徴税など)と国王権限外交戦争および議会召集解散)はそれぞれ不可侵のものであり、17世紀議会国王大権真っ向から対立していた。ストラフォード伯目指し理想エリザベス1世時代体制であり、17世紀には通用しなかったという指摘もある。 ストラフォード伯への評価時代によって二転三転した。アイルランド人々にとっては議論余地のない悪役であったが、ヨーク大学のウェントワース・カレッジにその名を残しているように、イングランドにおいては必ずしも悪役として評価されているわけではない清教徒革命における国王派や後のトーリー達にとっては殉教者ひとりであり、議会派ホイッグにとっては尊大な権力志向であったストラフォード伯をめぐる評価分裂状態にあったが、1732年にノウラー(Knowler)の名で出版された「Strafford's Letters」が転機もたらしたストラフォード伯非公開の手紙・書簡などからなるこの書は、著者ノウラーの背後パトロンとしてストラフォード伯曾孫のロッキンガム子爵先祖の名誉を回復しようしたものであり、都合の悪い部分削除して出版されたものであった。しかしこれが真に受けられ、以降20世紀中ごろまでストラフォード伯忠実な国王従僕にして悲劇主人公ということになった20世紀前半、バークレア(1931年)・ウェッジウッド英語版)(1935年)・バークンヘッド(1938年)がそれぞれストラフォード伯伝記出版したが、いずれも好意的評価与えるものであった。ところが「都合の悪い部分」が20世紀半ばに見つかってしまい、風向き変化することになる。ストラフォード伯強権的無慈悲な態度をしめす記述すくなからず見つかり、ウェッジウッド1961年改訂版出して対応したストラフォード伯一転イングランド内戦原因作った犯人1人になってしまった。 ストラフォード伯どのように描写するかについて、歴史家の間で見解一致みられない。彼は常に政敵と戦う必要に迫られており、冷酷さなしには政界生き残れなかったのも確かであった権利の請願参加しながらも国王強く敵対しなかったのも、彼の出身選挙区であるヨークシャー人々意見吸い上げてのことであった彼の積極意志アイルランド総督時代にみられ、議会運営をうまく行いカトリックのみならずプロテスタント不在地主所有地にもメスを入れたことはイングランド在住既得権者の恨みを買い、最後に国王の「専制」の責任一身背負って人生終えたストラフォード伯期待され役割果たしただけであるとする意見がある一方横暴さや冷酷さ指摘する声もあり、彼をめぐる議論現在進行形続いている。

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