弁官局とは? わかりやすく解説

弁官

(弁官局 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 22:36 UTC 版)

弁官(べんかん、辨官)は、朝廷の最高機関、太政官の職である左大弁(さだいべん)・右大弁(うだいべん)・左中弁(さちゅうべん)・右中弁(うちゅうべん)・左少弁(さしょうべん)・右少弁(うしょうべん)の総称である。唐名(漢風名称)は尚書。通説においては四等官の中の判官(じょう)に相当するが、異説として弁官を含めた弁官局を太政官の別局として捉え、元は本来の四等官の系列には含まない品官であったする説もある[1]。また、『延喜式』においても、季禄時服馬料要劇料などの給与の支給手続やそのために必要な上日の集計・考文の送付などが太政官とは別個に行われ、人事・財政体系における太政官からの独立性が確認できる[2]


  1. ^ 森田悌、『日本古代律令法史の研究』第二部第一章第二節 太政官制と政務手続、文献出版、1986年
  2. ^ 大隅清陽、『律令官制と礼秩序の研究』第一部第一章 弁官の変質と律令太政官制、吉川弘文館2011年
  3. ^ 佐藤進一、『日本の中世国家』第一章第二節 官司請負制、岩波書店1983年
  4. ^ 有富純也、『日本古代国家と支配理念』第一部第二章 神祇官の特質、東京大学出版会2009年
  5. ^ 平安時代中期の源昇のように左中弁在任中に参議に任ぜられるも、左中弁を元の如く兼帯し続けた例もある(『公卿補任』)。
  6. ^ 『公卿補任』
  7. ^ 『近衛府補任』(続群書類従完成会)
  8. ^ 『公卿補任』
  9. ^ 井原今朝男、『室町期廷臣社会論』第一部第三章 廷臣公家の職掌と禁裏小番制、塙書房、2014年


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弁官局

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弁官」の記事における「弁官局」の解説

弁官の下には史(左大史右大史左少史右少史)や使部官掌史生直丁などが属して左右の弁官局を構成する議政官大臣大納言中納言参議)の下で太政官実務を担う枢要部署であり、少納言局合わせて太政官三局という。 大史正六位上少史正七位上相当であった(同官位令)が、鎌倉時代まで左大史上首五位昇る慣例ができ、大夫史呼ばれた。 大少史は、受領した公文記録起案文の作成署名公務遅滞過失調査公文の読申を所掌した(同職員令)。その他の史生官掌直丁らは、官位相当対象外雑任官であり、文書筆写訴人案内などの雑務従事した定員左右大史少史各2名、史生10名、官掌2名。 弁官局で実際に実務運営したのは大少史であり、特殊技能である算道文書作成慣行に関する知識求められることから、専門職として一体意識醸成され、大少史筆頭である左大史上首が大少史統括する弁官局の主催者となった10世紀末に小槻奉親左大史補任されて以来小槻氏の嫡系は代々左大史に昇った。12世紀ごろには小槻氏左大史独占する人事定着した。弁官局を主宰する左大史官務呼ばれ官務世襲する小槻氏官務家称されるようになった

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