底なしの宝庫とは? わかりやすく解説

底なしの宝庫(第821夜 - 第826夜)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)

千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「底なしの宝庫(第821夜 - 第826夜)」の解説

昔、教王カリーファ)ハールーン・アル・ラシードが大臣ジャアファル・アル・バルマキーに「最も気前良い人間は誰か。」と尋ねたところ、ジャアファルは「教王ではなくバスラのアブールカセムという若者です。」と答えた教王はこの予想外回答怒りジャアファル地下牢閉じ込め、自ら真偽確かめるべく、商人変装してバスラ旅立ったバスラ着き、アブールカセムの屋敷訪ねると、アブールカセムは旅の商人の姿をした教王快く迎えた。館に入ると、内面宝石や金で美しく飾られており、まず通され第一広間で珍しい飲み物飲み次の広間でおいしい料理腹一杯食べ第3広間で酒を飲み歌姫たちの演奏聞き舞姫たちの舞を見た。 アブールカセムは教王に、幹は白銀枝葉エメラルド果実ルビーでできた鉢植え見せ、その木の上止まっている黄金孔雀琥珀の棒で叩くと、黄金孔雀動き出し龍涎香甘松香、伽羅の香りをあたりに漂わせた。教王興味を示すと、アブールカセムは鉢植え片付けてしまった。 次にアブールカセムは、葡萄酒満たした杯を持った美し少年奴隷連れて来た。教王が杯を受け取り飲むと、空になった杯から葡萄酒湧き出し、杯は再び葡萄酒満たされた。この杯は魔法の杯であった教王興味を示すと、アブールカセムは少年奴隷魔法の杯を持たせて退出させてしまった。 次にアブールカセムは、琵琶持った美し奴隷乙女連れて来た。乙女琵琶美しい音色奏で教王聞き惚れたが、アブールカセムは乙女退出させた。教王は、客に少しだけ見せて、客が興味を示すと片付けやり方無礼だ感じ、アブールカセムを非難して館を出て宿屋帰った宿屋帰ると、琵琶持った乙女も、魔法の杯を持った少年奴隷もいて、さらに、宝石鉢植え持った別の少年奴隷その他大勢奴隷がいて、それらはアブールカセムからの贈り物であった教王短慮恥じ、アブールカセムの館に戻り贈り物謝し、なぜそれほど財力があるのかを尋ねたところ、アブールカセムは次のように答えた。 アブールカセムの父はアブデルアズィーズといい、代々続くカイロ大宝商人であったが、エジプト帝王(スルタン)が暴君であったため、バスラ移り、そこで結婚してアブールカセムが生まれた。アブデルアズィーズが亡くなると、一人息子であったまだ若いアブールカセムが全財産相続したが、2年のうちに浪費し無くしてしまった。アブールカセムはバスラを後にし、モースルダマス放浪しメッカ巡礼し、父祖の地であるカイロ着いたカイロの町を歩いていると、ナイル川面した帝王宮殿の裏手を通ったが、窓の奥に一瞬見えた乙女に恋をしてしまった。その日は窓の外で一日中待ったが、その乙女二度と現れなかった。翌日もその窓に来ると、乙女現れ真夜中に来るようにとだけ言って消えてしまった。真夜中に来ると、縄梯子降りてきて、それを登って窓から入るとその乙女がいた。乙女はラビバといい、帝王側室であったが、帝王不能であったため、処女のままであった2人抱き合おうとしたとき、帝王兵士入ってきて、2人捕らえナイル川投げ込んでしまった。アブールカセムは岸に着くことができたが、ラビバの姿は見えず必死に探したにもかかわらず行方が分からなくなってしまった。 アブールカセムはカイロ逃れバグダード行商始めた。するとある老人がアブールカセムに興味示し砂糖菓子10ディナール大金で買い、生い立ち聞いてきた。アブールカセムが話すと、老人感動し養子ならない聞いてきたので、アブールカセムは承知した2人老人屋敷のあるバスラ移った。アブールカセムは孝行努めたが、1年すると老人最期の時を迎え、アブールカセムの孝行感謝表し屋敷内にある底なしの宝庫への入り方教えてくれた。その宝庫誰が作ったものか分からないが、代々受け継がれてきたもので、無限とも言える宝物入っているのであった老人教え終わると、息絶えた。 アブールカセムは金を使い出したが、人々予想反して、金が無くなることはなかった。役人が金を要求して来て、それを払って全然大丈夫であった。 話を聞く教王はどうしても底なしの宝庫が見たくなり、頼むと、アブールカセムは教王目隠しして地下にある底なしの宝庫に連れていった。見ると、大きな広間宝石の山がいくつもあり、今まで使ったのは山2個分でしかなかった。宝庫にはそのような広間無数にあり、アブールカセムは教王を順に案内したが、広間の数が多すぎて、途中で疲れて宝庫出てしまった。教王はアブールカセムに感謝しバグダード宮殿帰った教王はジャワファルを地下牢から出し、アブールカセムからもらった少年奴隷2人与えた宝石鉢植えと、琵琶弾き乙女は正后ゾバイダに与え魔法の杯は自分の物とした。教王はアブールカセムをバスラの王に任命するためバグダード宮殿招いたが、その夜の宴に現れ歌姫がラビバであり、それを見たアブールカセムは気絶してしまった。ラビバはナイル川投げ込まれたあと、漁師助けられ奴隷商人の手経て教王献上されたのであった2人結婚し教王庇護のもと幸せ暮らした

※この「底なしの宝庫(第821夜 - 第826夜)」の解説は、「千夜一夜物語のあらすじ」の解説の一部です。
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