龍涎香(リュウゼンコウ)
原産地:南洋
抹香鯨の消化器内に、不明の原因により生じる一種の病的分泌物で、グリスの名の如く灰色のロウ状物質である。その形成には諸説あるが、抹香鯨の食物であるイカやタコの嘴が消化されずに結石し、この廻りに芳香成分が分泌され、これが体外へ排出されたものという説が妥当と思われる。実際良質品ほどイカ等の嘴が多く混入している。昔は海岸や海上に漂着しているのを採集するだけだったが、捕鯨時代には解体時にも得られるようになった。しかし、捕鯨禁止になって再び採取が困難なり貴重な香料といえる。漢名の由来は、正体不明の物質だった為に『龍の吐く涎』の意で付けられた。麝香と共に動物性香料の双璧で、媚薬として用いられる事も多かったようである。薬用としても強心・鎮痙等に効果的。
龍涎香
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/16 17:53 UTC 版)
龍涎香(りゅうぜんこう)あるいはアンバーグリス(英: Ambergris)は、ベゾアールの一種でマッコウクジラの腸内に発生する結石であり、香料の一種である[1]。
- ^ "Ambergris". Britannica. 2013年1月31日閲覧。
- ^ Burr, Chandler (2003). The Emperor of Scent: A Story of Perfume, Obsession, and the Last Mystery of the Senses. New York: Random House. ISBN 978-0-375-50797-7
- ^ Herman Melville (英語), Moby-Dick/Chapter 92, ウィキソースより閲覧。
- ^ 『長物志』 [要ページ番号]
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