ざん‐ごう〔‐ガウ〕【×塹×壕】
【塹壕】(ざんごう)
Trench
銃撃戦において敵の銃弾から隠れるために地面に掘る穴。
隠れたまま移動できるよう水路のように深く長い溝を掘るのが一般的。
第一次世界大戦では、両陣営がヨーロッパ大陸を縦断する長大な塹壕線を築いたことで知られる。
銃火器が実用化された比較的初期の時代から用いられていたが、当初は射撃後に銃剣突撃による白兵戦に移行する事が多かったため、さほど重要視されていなかった。
しかし機関銃が登場すると白兵戦が恐ろしく困難になったため、かわりに塹壕が多用されるようになった。
塹壕の上端から顔と小銃だけを覗かせて撃ち合うことが基本であり、射撃しやすいように掩体が設けられる。
ただしそれだけでは膠着状態に陥りやすいため、迫撃砲によって支援したり、少数の兵士が敵の塹壕に乗り込んで白兵戦によって敵を掃討するなどの戦術もとられた。
これらの特徴は火器の登場以前の戦争における城塞とほぼ同様で、旧来の城や砦が近代的な要塞へと置き換わっていったものと見る向きもある。
戦車や航空機などの登場によって再び必要性は薄くなったが、現在でも拠点防御に用いられることがあり、塹壕を掘るためのスコップ(えんぴ)は歩兵の必需品である。
関連:M1897 塹壕戦 タコツボ
塹壕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 08:55 UTC 版)
塹壕(ざんごう、仏: tranchée、英: trench、独: Graben)は、戦争において敵の銃砲撃から身を守るために陣地の周りに掘る穴または溝である。
注釈
出典
- ^ 名和弓雄『長篠・設楽原合戦の真実』第2章「馬防柵神話の崩壊」、雄山閣、平成10年(1988年)刊行。
- ^ 「普通のマスケット銃で200ヤード(180m)離れた敵を狙っても、月に命中させようとするようなものだ」
(1814年ハンガー大佐。原典hughes,firepower26ページ。邦訳例『飛び道具の人類史』183ページ) - ^ 「施条した銃砲が圧倒的な破壊力を発揮し、兵士たちは塹壕や地下掩蔽壕に避難することを余儀なくされた。伝統的な白兵突撃は多くの犠牲を出すようになり、戦場で目立つ騎兵は地形に隠れやすい歩兵より射撃に脆弱であり、衰退し始めた。」『飛び道具の人類史』190Pより引用。
- ^ 「黒色火薬は煙が多く出る。連続射撃をすると煙で前が見えなくなる」『「鉄砲」撃って100』(かのよしのり著)175Pより引用。「実際の戦場は黒色火薬の発射によるものすごい白煙で、ほとんど何も見えない状態だった思われる」『日本甲冑史[下巻]』(中西立太著)」71Pより引用。
- ^ 『ピストルと銃の図鑑』(著:小橋良夫 関野邦夫・池田書店)P.179
- ^ 19世紀後半には、小銃も大砲も弾薬を後部から装填する後装式が主流になり、操作が容易になるとともに発射速度が大幅に増加した。」『飛び道具の人類史』189Pより引用。
- ^ 「武器の改良は歴史家が産業革命と称する現象の一部であり、産業革命全体と関連付けて考察しなければならない。(中略)大量の弾薬を戦場に運ぶことを可能にした。新たに開発された鉄鋼類や精密な工作機械の出現、互換性のあるパーツの大量生産は、兵器のデザインや生産様式や使用方法に革命的な変化をもたらした」『飛び道具の人類史』189Pより引用。
- ^ 「銃身や砲身に腔線を刻むことで(中略)命中精度が高まった」『飛び道具の人類史』189Pより引用。
- ^ NHKスペシャル『映像の世紀』第2集「大量殺戮の完成」(1995年4月15日放送、日本放送協会)において引用されたもの。テロップでは「イギリス兵士の手紙より」と表記されているが、原典については不明。
塹壕
「塹壕」の例文・使い方・用例・文例
- 爆弾が塹壕兵たちを直撃した。
- 敵軍は首都の周囲を塹壕で固めていた。
- 敵は戦場から塹壕(ざんごう)まで後退した.
- 塹壕を掘る.
- 彼は塹壕の中で戦った.
- この活動写真は塹壕戦の実況を写したものだ
- 兵を指揮して塹壕を掘らせた
- 活動写真で見ると塹壕戦の実況がよくわかる
- 戦争が早く終わる代わりに、塹壕戦に陥ってしまった
- 彼の優れた選挙運動術がプラスになるだろうという望みは、選挙運動が塹壕戦になっていたという認識の中で消滅した
- 塹壕を掘る
- 塹壕のある要塞
- 小型武器での射撃を行うために特に構築された塹壕
- 防御を延長するために追加の内部要塞から成る塹壕
- 何列もの有刺鉄線が塹壕を守っていた
- (塹壕を掘ったり要塞を造ったりして)対壕を作る工兵
- 塹壕を掘る人
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