填料
填料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/25 19:11 UTC 版)
フィラー(filler)ともいい、紙に不透明性をもたせて裏抜けを防いだり、白色度、平滑性などをもたせるために配合または塗布される鉱物性の粉末。フィラーとも呼ばれる。主にタルク、カオリン(白土)、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどが使われるが、近年では非晶性シリカ(ホワイトカーボン)の使用も増えている。また、有機系填料として尿素樹脂も使用されている。無機填料を主体にした「石の紙」(stone paper)を作る方法も実用化されている。
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填料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 01:03 UTC 版)
繊維間の隙間を埋め、不透明度・白色度・平滑度・インク吸収性を向上させる。従来からカオリンなどのクレー(白色粘土)やタルク(滑石)が使われているほか、中性紙では炭酸カルシウムが使われる。填料は、印刷用紙やPPC用紙などには5%から20%程度、辞書などに使う薄葉印刷用紙では25%程度が含まれる。
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填料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 03:15 UTC 版)
主原料とは別に添加する材料を填料というが、杉原紙は米粉を添加する。杉原紙のほかに檀紙、奉書紙も米粉を使用する。米粉を添加する技法を「糊入れ」といい、糊入れが行われた和紙のことを「糊入れ」とも称した。 米粉を入れる目的は、薄くても粘りのある丈夫な紙を作るためであり、原料のコウゾを節約して大量の紙を生産するためでもある。極めて古い時代には「厚くて堅固」な紙が良いとされたが、米粉の添加は限られた原料でより多くの紙を生産するための技術として編み出された技法で、結果として産み出された杉原紙は、他の和紙とくらべて「薄くても丈夫」であることが良いとされたのである。とはいえ、同じ杉原紙の中では「厚いものがよい」とされており、播磨杉原を上回る最上級品とされた加賀杉原(強杉原)のよさは、その厚みにあった。 檀紙や奉書紙と比較すると、杉原紙は薄いものだったが、美濃紙と比べると厚い。檀紙、奉書紙、杉原紙と違い、美濃紙は米粉の添加を行わない紙で、米粉を添加しない代わりに、より長い時間をかけて複雑な漉き方を行うことで薄さと丈夫さを実現していた。しかしそのために生産量は少なく、「厚いもの」がよいとされる中近世には、杉原紙よりも安価で流通していた。 古い時代には、丈夫さを出すために米粉を混ぜるというのは画期的な技術で、日本での紙文化の拡大に大きく寄与したと考えられている。一方、美濃紙のように複雑な工程を経ることで米粉を使わずに薄さと丈夫さを実現する技術から見ると、米粉を混ぜるのは安易で容易な手段であり、高い技術を要求されるものではなかった。高い技術を要求されないからこそ、杉原紙は容易に全国各地に生産が広がっていったのである。しかし紙漉き技術としては高度な技ではないために、近代になって安価で大量生産が可能な西洋紙が入ってくると、他の高度な技術を持つ和紙は西洋紙との差別化を図ることができたのに対し、杉原紙は西洋紙に駆逐されてしまった。 米粉を添加することで虫害に弱いという欠点があり、これも近代に杉原紙が廃れる重要な要因になった。
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