堅豆腐とは? わかりやすく解説

堅豆腐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/19 21:56 UTC 版)

堅豆腐(かたどうふ[1]、かたとうふ[2])は、石川県白山市[1]富山県南砺市五箇山[3]の伝統食材。白山麓名物とされる[1]

概要

「荒縄で縛っても崩れない」[3]、「ぶつかったらケガをする」[2]と言われるほど堅い豆腐である。

通常の豆腐と比較すると保存性も高く、夏期で2日から3日、冬期だと7日程度は日持ちする[4]

奈良時代に大陸から日本へと伝わった当時の豆腐が堅豆腐であったと言われる[3]。その後、豆腐は日本で進化していったのだが、昔の原形に近い製法で作られているのが堅豆腐ということになる[3]。五箇山には平家の落ち武者がいて、京文化であった豆腐作りを伝えたという説もある。また、保存がしやすく流通にも適した堅豆腐が雪国である石川県、富山県に適していたとも推測される[3]

作り方

大豆の使用量は通常の豆腐を作るときと比べると2倍以上の量を使用する[2]

作り方はいくつかあり、例えば白峰村(現・白山市)内でも、白峰と桑島では製造方法が異なる[4]。一例では、白峰では大豆の磨砕後に加熱をするが、桑島では大豆の磨砕後に豆乳を分離し、豆乳のみを加熱する[4]。また豆腐の冷却も白峰では水で晒すが、桑島では水には晒さず、自然放冷する。どちらも堅豆腐と称している[4]

利用法

旧・白峰村では、正月には堅豆腐を用いて大切汁を作るが、この時に堅豆腐のひと切れが小さいと「年が悪い」と嫌って、大切りにする[4]

日常的にも食されており、味噌汁すき焼き煮物天ぷら、バター焼き、炒り豆腐、味噌田楽湯豆腐と幅広く利用される[4]。特に堅豆腐を薄く切って、わさび醤油で食べる堅豆腐の刺身は最高とされる[4]

出典

  1. ^ a b c 【石川】堅豆腐 託す伝統 固い決心 白峰・山下ミツ商店 他社の子会社に” (2021年11月17日). 2023年10月20日閲覧。
  2. ^ a b c 第412回『堅とうふ』”. 食彩の王国. テレビ朝日 (2012年2月11日). 2023年10月20日閲覧。
  3. ^ a b c d e 第44講 堅豆腐 硬水の薫陶、風土で進化”. 美食地質学入門. 毎日新聞 (2022年3月1日). 2023年10月20日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 川嶋正男「白峰地方の食生活と堅豆腐」(PDF)『調理科学』第9巻第4号、1976年、205-209頁、doi:10.11402/cookeryscience1968.9.4_205 

堅豆腐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:36 UTC 版)

豆腐」の記事における「堅豆腐」の解説

堅豆腐 / 固豆腐 (かたとうふ)は、現在の日本一般的となっている製法異なり濃度の高い豆乳使ったり、にがりの代わりに海水を使うなど、様々な方法用いて保存できるようにした種類豆腐のことで、なかには荒縄縛って持ち運びできるほど堅いものもある。狭義では日本各地昔ながら作られ続けている堅豆腐のみを指すが、広義では、文字どおりに同種の堅い豆腐全般を指す総称となっている。 狭義の堅豆腐、すなわち、日本の堅豆腐は、そもそも日本作られ始めた当時のものに近い。つまり、本来的には豆腐は堅豆腐、もしくは、それに似た堅い豆腐であった例え江戸時代浮世絵描かれ豆腐もその多く大きくしっかりとした長方体の堅豆腐である。現代では流通不便な豪雪地帯山岳地域あるいは離島などだけで変わらず作られ続け伝統製法となっている。堅豆腐を作る地域としてしばしば例に挙げられる場所としては、加賀地方石川県)の白山麓の一円各所がその一つであり、なかでも旧・石川郡白峰村(現・白山市白峰)の石豆腐や、富山県五箇山岩豆腐はよく知られている。これらの地では、肉類食べるように堅豆腐が調理され食べられている。 水分を減らしたもの 沖縄県島豆腐:「生しぼり法」で作られ豆乳粘度が低い状態でにがりを混ぜるが、荷重時間多くかけて含水率を減らすため硬くなるまた、作りたて新鮮なものが好まれるため、にはさらさず温かい状態で販売される京都府宇治市黄檗豆腐荷重時間多くかけて含水率減らしたもので、普茶料理使われる。 濃い豆乳 石川県白峰村石豆腐(堅豆腐) 富山県五箇山岩豆腐(堅豆腐) 徳島県祖谷地方東祖谷山村東祖谷山村)の岩豆腐(石豆腐熊本県球磨郡五木村五木豆腐 海水利用 山口県祝島石豆腐 長崎県五島列島の潮豆腐 長崎県壱岐市壱州豆腐 沖縄県糸満豆腐 沖縄県シマ豆腐

※この「堅豆腐」の解説は、「豆腐」の解説の一部です。
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