基本的なネットワーク間接続プロトコル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 03:00 UTC 版)
「ゼロックス・ネットワーク・システム」の記事における「基本的なネットワーク間接続プロトコル」の解説
主なインターネットワーク層のプロトコルは、 インターネット・データグラム・プロトコル (Internet Datagram Protocol=IDP)である。 IDPがPupのインターネットワーク・プロトコルの近い末裔で、インターネット・プロトコル・スイートのインターネットプロトコル(Internet Protocol=IP)層にほぼ対応している。 IDPは、イーサネットの48ビットアドレスを独自のネットワークアドレスの基礎として使用し、一般的にはマシンのMACアドレスを主要な一意の識別子として使用する。これにネットワーク機器によって提供される48ビットのアドレスセクションが追加さる。 32ビットはインターネットワークのネットワーク番号を識別するためにルーターによって提供され、別の16ビットは、単一のホスト内のサービス選択のためのソケット番号を定義する。アドレスのネットワーク番号の部分には、ネットワーク番号を(まだ)知らないホストが使用するために、「このネットワーク」を意味する特別な値も含まれている。 TCP/IPとは異なり、ソケット番号はIDPヘッダ内の完全なネットワークアドレスの一部であるため、上位層プロトコルは多重化を実装する必要がない。 IDPはパケットタイプも提供する(これもIPとは異なる)。 IDPはまた、パケット全体をカバーするチェックサムも含むが、これはオプションであり、必須ではない。これは、LANが一般的にエラー率が低いという事実を反映したもので、XNSはパフォーマンスを向上させるために下位レベルのプロトコルからエラー訂正を削除した。 エラー訂正は、例えばXNS独自のSPPプロトコルのように、プロトコルスタックの上位レベルでオプションで追加することができた。 XNSはこの設計上の注意により、IPよりも高速であると広く評価されていた。 XNSは、それが動作する低レイテンシのLAN接続に合わせて、短いパケットサイズを使用しており、これにより低エラー率と短いターンアラウンドタイムの場合のパフォーマンスを向上させる。 IDPパケットは、30バイトのIDP ヘッダーを含め、最大576バイトの長さである。 これと比較して、IPでは、すべてのホストが少なくとも 576をサポートすることを要求するが、最大65Kバイトのパケットをサポートする。 特定のネットワーク上の個々のXNSホストペアは、より大きなパケットを使用するためにXNSルーターを必要とせず、介在するルーターがより大きなパケットをサポートするかどうかを検出するためのメカニズムは定義されていない。 また、IPのようにパケットを断片化することはできない。 ルーティング・インフォメーション・プロトコル (Routing Information Protocol=RIP)は、Pupのゲートウェイ・インフォメーション・プロトコルの子孫で、ルーター情報交換システムとして使用され、(他のプロトコルスイートのアドレスの構文と一致するように少し修正されている) 今日でもインターネット・プロトコル・スイートなど他のプロトコルスイートで使用されている。 XNSはまた、IPのpingと同様に、ネットワークスタックの下位レベルで動作する、インターネットワーク層での単純なエコー・プロトコルを実装している。 pingのように、IPパケットのペイロードとしてICMPデータを追加する代わりに、XNSのエコーはコマンドを直接IDPパケット内に配置した。 IPにおいても、IPヘッダのICMPプロトコルフィールドを拡張することで、同じことが実現できる可能性はある。
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