国鉄気動車向け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 07:01 UTC 版)
「国鉄DT21形台車」の記事における「国鉄気動車向け」の解説
DT22・TR51 液体式気動車用としてDT21を基本に開発され、キハ55形3次車以降に標準採用された。DT21と比較すると、ペデスタルと軸ばねの天地寸法や枠の断面形状が異なり、軸箱上の空間がやや大きいほか、ブレーキシリンダーや軽め穴もない。また、気動車に特有の逆転機を、トランサム(横梁)から伸びる2本の転動防止用リンクで支持するため、トランサム周辺の構造も異なる。また、両形式ともブレーキが片押し式となり、枕ばね吊りの寸法や形状がDT21とはやや異なる。DT22A・TR51A キハ20・55・58系・(58系56形)に採用。最初の量産モデル。 DT22B キハ10系気動車用。DT27・TR67を急行形気動車へ転用(後述)した際に発生したDT22Aの逆転機周辺を改修したもの。 DT22C・TR51B キハ20・58系・(58系56形)用。DT22A・TR51Aの改良型で各系列とも途中より切り替え。後にキハ30系などにも採用。 DT22D・TR51C キハ40系用。40系の逆転機が変速機内蔵型となり、減速機のみが台車装架となってトランサム形状が変更されたことなどによる形式変更。新製としてはDT22系の最終形式に当たる。 DT22E・TR51D キハ37形用。廃車発生品を改修したもの。 DT22F キハ54形500番台用。廃車発生品を改修したもの。 DT22G・TR51E キハ31・32形用。廃車発生品を改修したもの。 DT25・DT25A・TR61・TR61A 試作のキハ60系用としてDT22をベースに開発。全てディスクブレーキを採用し、DT25・DT25Aは1台車2軸駆動を実現した。なお、キロ60用のDT25A・TR61Aはベローズ式空気ばね台車である。 DT27・TR67 いわゆるキハ81系用として開発された。DT22・TR51の枕ばねをベローズ式空気ばねに変更しボルスタアンカーを付加したモデルである。キハ81系の台車は後にDT31B・TR68Aへ交換されたため、余剰部品となったこれらはキハ58系へ転用された。 DT31・TR68 DT27・TR67を基本に、ディスクブレーキ化したもの。ラックレール区間のある信越本線用キハ58系(57形)のために開発され、その後DT31A・31B・TR68Aと量産途上での小改良を加えつつキハ82系用台車として量産された。特に駆動軸の場合、逆転機と最終減速機が吊り下げられた狭い空間にディスクブレーキを押し込んであったため、ブレーキパッドの交換や点検を行う保守陣からは不評であった。もっとも、そのブレーキ性能は良好で、乗り心地も良く、気動車特急ネットワークの形成と発展に大きく寄与した。
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