喜如嘉の芭蕉布とは? わかりやすく解説

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喜如嘉の芭蕉布

【工芸品名】
喜如嘉の芭蕉布
【よみがな】
きじょかのばしょうふ
【工芸品の分類】
織物
【主な製品】
着物地、帯、座布団ネクタイ袋物、のれん、テーブルセンター
【歴史】
芭蕉布は、13世紀頃にはすでに作られていたと考えられますが、人々の間に広まったのは近世になってからのことです。家の庭や畑に芭蕉の木を植え主婦娘たち自家用の布を織っていました19世紀に入ると絹や綿が出回るようになりましたが、あいかわらず芭蕉布人々親しまれいましたこの伝統を受けついでいる喜如嘉の芭蕉布は、昭和49年に国指定重要無形文化財総合指定受けてます。
【主要製造地域】
沖縄県
【指定年月日】
昭和63年6月9日
【特徴】
糸芭蕉からとれる繊維利用して織り上げる芭蕉布は、沖縄代表的な織物です。江戸時代には夏裃(なつかみしも)として人気ありました軽くてさらりとした肌触りが独特で、盛夏着物として現在も広く愛用されています。

喜如嘉の芭蕉布

名称: 喜如嘉の芭蕉布
ふりがな きじょかのばしょうふ
芸能工芸区分 工芸技術
種別 染織
認定区分 保持団体認定
指定年月日 1974.04.20(昭和49.04.20)
解除年月日
指定要件 一 糸は、糸芭蕉より引きしたものであること。
二 染色植物染であること。
三 絣模様は手くくり絣であること。
四 手織りであること。
備考 昭和49年4月20日 指定・認定保持者(代表者)・平良敏子
昭和51年4月30日 認定解除保持者(代表者)・平良敏子)(※法改正による)
昭和51年4月30日 認定保持団体・喜如嘉の芭蕉布保存会)(※法改正による)
解説文: 芭蕉布は、糸芭蕉繊維を糸にして織った布で、沖縄奄美諸島衣料として古く盛んに作られた。そのうち沖縄県国頭郡製作されていた日常衣料主とする芭蕉布製作の伝統が、現在、同郡喜如嘉中心にした地域婦人達の協同作業によって伝承されている。
 喜如嘉の芭蕉布は、テカチ・染・琉球藍染・木灰の使用など、すべて天然材料によって手仕事製作されており、繊維の粗剛な平織物ながら、特別な魅力具えた織物として今日声価が高い。
 旧来一般自給衣料として縞・無地限られていたのが、明治時代に絣をとり入れて商品化計ったなどの経由もあって現在では絣が多く織られている。手くくりの手法による絣は、伝統的な沖縄の絣の特色をよく伝えており、糸芭蕉栽培から織物完成まで一貫して製作に当っている点とともに伝承古格きびしく守られている。
工芸技術のほかの用語一覧
染織:  久留米絣  久米島紬  伊勢型紙  喜如嘉の芭蕉布  宮古上布  小千谷縮・越後上布  結城紬

喜如嘉の芭蕉布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/29 21:14 UTC 版)

喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばしょうふ)は、沖縄県国頭郡大宜味村の喜如嘉地区で生産される、シマバショウの繊維よりなる織物アマアサカラムシとならび、植物の長繊維を用いるため高温で湿潤な気候でも布が肌に張り付きにくい特徴が重宝された[1] [2]重要無形文化財である。


  1. ^ 琉球とアイヌの染織”. 博物館ディクショナリー > 染織. 京都国立博物館. 2020年12月17日閲覧。
  2. ^ a b c 喜如嘉の芭蕉布” (日本語). 伝統工芸 青山スクエア. 伝統的工芸品産業振興協会. 2020年12月17日閲覧。
  3. ^ 喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばしょうふ)”. kimono.or.jp. 「染めと織り」地域別辞典. 一般財団法人民族衣裳文化普及協会. 2020年12月18日閲覧。 “変遷(改行)糸芭蕉が繁茂していたため、奄美諸島から与那国島にかけては昔から芭蕉布がさかんに織られ、身分の上下なく晴着や普段着として着用されていた。芭蕉布の起源は明らかではないが、一三七三年頃の明朝への入貢品目録の中に、芭蕉布のことと思われる「生熟夏布」の名があるので、十三、四世紀にはすでに織られていたものと考えられる。(後略)”
  4. ^ Okinawa Pref. (Naha) — Bashifu in Kijoka, *Weave* (p.135)”. Dye & weave — Kimono - Okinawa. 一般財団法人 民族衣裳文化普及協会 / Cultural Foundation for Promoting the National Costume of Japan (1997年12月10日). 2016年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
  5. ^ Ryukyu and Ainu Textiles”. 京都国立博物館. 2011年3月15日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ a b Kimono - Okinawa”. 沖縄県 G8 サミット準備委員会. 2011年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月15日閲覧。
  7. ^ 沖縄県内務部 1915, p. 28-33頁、付表(コマ番号65-68).
  8. ^ 沖縄県内務部 1915, p. 付表(コマ番号65).
  9. ^ 沖縄県内務部 1915, p. 付表(コマ番号68).
  10. ^ Bartok, Mandy (2012年6月3日). “Weaves its spell in Kijoka Bashōfu culture” (英語). ジャパンタイムズ: p. 10. http://www.japantimes.co.jp/text/fv20120603a1.html 
  11. ^ 渦岡ほか 2017, p. 13.
  12. ^ 内閣府沖縄総合事務局 2016, p. 2.
  13. ^ 渦岡ほか 2017, pp. 13–27.
  14. ^ Kimono - Okinawa”. Cultural Foundation for Promoting the National Costume of Japan. 2016年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月15日閲覧。
  15. ^ Kijoka-no Bashofu (plantain tree fabric)”. 国際観光振興機構. 2011年3月15日閲覧。[リンク切れ]
  16. ^ 芭蕉布着物 縦縞四つ目模様”. colbase.nich.go.jp. ColBase. 2020年12月17日閲覧。
  17. ^ 喜如嘉の芭蕉布”. 国指定文化財等データベース > 重要無形文化財. 文化庁. 2011年3月15日閲覧。
  18. ^ 芭蕉布の里”. 大宜見村. 2010年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月15日閲覧。
  19. ^ 中島秀吉: “「平良敏子」講談社『日本人名大辞典』”. コトバンク. 朝日新聞社. 2011年3月15日閲覧。


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