否定する考え方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/03 15:34 UTC 版)
一方、古代ローマのヴァロは、瘴気とは気体ではなく微小な動物だと主張した。これはマラリア媒介蚊のことだと解釈すれば、真実を言い当てていた。しかしこの考えは瘴気説の主流とはならなかった。 16世紀イタリアのジローラモ・フラカストロは、病気が伝染する原因は、微小な生物である「contagium vivim(生きた接触体)」との接触(コンタギオン、コンタジョン)だと唱えた。彼の主張は、「contagium vivim」の正体が未知であることを除けば、現在の病原体に対する理解と変わらないものであった。その後、1674年にアントニ・ファン・レーウェンフックが微生物を発見すると、微生物こそが「contagium vivim」ではないかという推測が現れた。ルイ・パストゥールは細菌による発酵と腐敗を研究した結果、「contagium vivim」の正体は細菌だとする説を主張した。 1876年、ロベルト・コッホが、炭疽症の病原体と推測されていた炭疽菌が実際に病原体であることを、実験で証明した。その後も次々と感染症の病原体が発見され、瘴気は否定された。
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