叙述用法
叙述用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 21:44 UTC 版)
存在動詞#存在動詞とコピュラ、コピュラ#各言語におけるコピュラも参照。 叙述用法の形容詞句は、言語によりコピュラを伴うことがある。例えば、英語やスペイン語ではコピュラ+形容詞句、日本語では形容詞句+コピュラという基本語順になる(日本語のコピュラは省略可能)。 言語によっては存在動詞がコピュラの役目を兼ねており、例えば、英語の be がそうである。 イタリア語、スペイン語、ポルトガル語などのように、複数のコピュラが使い分けられる言語もある。例えば、スペイン語では、「ser」が性質・種類を表し、「estar」が状態・所在を表す。 Juan es inteligente. - 「ser」の3人称単数現在形フアンは頭が良い。(性質) ¿Es fácil el español? - 「ser」の3人称単数現在形スペイン語はやさしいですか?(性質) Las ventanas están cerradas. - 「estar」の3人称複数現在形窓は閉まっている。(状態) ¿Cómo estás? - 「estar」の2人称単数現在形元気かい?(状態) Estoy bien. - 「estar」の1人称単数現在形元気だよ。(状態) また、同じ形容詞句でも、「estar」と「ser」の使い分けによってニュアンスが変わる。 Adriana no es que esté guapa; es guapa. - 「estar」と「ser」の対比アドリアナは美しくなっている(状態)というのではなくて、もともと美しい(性質)のだ。 Pedro es casado.ペドロは既婚者です。(性質) Pedro está casado.ペドロは結婚しています。(状態) 中国語や日本語のように、存在動詞(「在」/「いる・ある」など)とコピュラ(「是」/「です・だ・である」など)が区別されている言語もある。 また、述語が名詞句の時はコピュラを付けるが、形容詞句には付けない言語もある。例えば、中国語(普通話)では、コピュラ+名詞句で「她是學生」(「彼女は学生です」)とは言うが、「彼女は美しい」は「*她是漂亮」ではなく「她很漂亮」となる。この「很」(台湾では「好」)という副詞は、強勢を置けば「とても」という意味を持つが、強勢がない場合は特に意味はない。しかし、形容詞の”程度”を表す語句(副詞など)あるいは否定辞がない時には基本的に省略できない。例えば、「她真漂亮」(「彼女はホントに美しい」)、「她漂亮極了」(「彼女はものすごく美しい」)、「她不漂亮」(「彼女は美しくない」)などは可だが、「*她漂亮」は不可である。en:Chinese adjectives および zh:形容詞 も参照。 アラビア語ではコピュラが無標のため、定冠詞の有無により限定用法と叙述用法が区別できる。 .البيت كبير(その家は大きい。) .هذا بيت كبير(これは大きい家である。) .البيت الكبير جميل(その大きな家は美しい。)
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