叙述史料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 07:56 UTC 版)
現代の歴史家は、利用可能な大量の管理文献を史料として利用しているが、昔はそんな便利な物はなかった。近代以前の書き手は、参照した文献名を挙げずに執筆していることがきわめて多く、実際に管理文献を使用していることを確認できるケースはほとんどない。敵軍についての記述では、それは特にあてはまる。 前近代の歴史家に関しては、さらに多くの問題がある。敵の兵力を増やすことは、いつの時代も好まれる宣伝手法の1つだったので、当時の報告書には極端なバイアスが含まれている可能性がある。バランスの取れた説明を提示した場合でも、多くの歴史家は軍事経験がなかったため、情報源を適切に評価して批評する技術的判断が欠けていた。一方で、同時代の歴史家は貴重な当事者の談話を直接聞くことが出来たが、数値については極めて不正確だった。 歴史家は、叙述史料は数字の点で非常に信頼できないと考えている。したがって、管理文献を使える近代の数字と、それがない前近代の数字との比較は非常に困難である。
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