単式蒸留器
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単式蒸留器(たんしきじょうりゅうき:ポットスチル、英: Pot still)は、蒸留するたびにアルコール発酵した酒のもろみなどの蒸留を行う溶液を入れ、エタノールの蒸留が終了したあとに、溶液を排出する方式の蒸留器である。日本の酒税法では連続式蒸留機以外の蒸留機は単式蒸留機と表記されている[1]。
- ^ 酒税法3条 その他の用語の定義 焼酎の定義 11 (4) 国税庁
- ^ 玉村豊男 編『焼酎東回り西回り』紀伊國屋書店、1999年、ISBN 4877380671、p.232-233
- ^ 酒税法3条 その他の用語の定義 10「連続式蒸留機」の定義 国税庁
- ^ 単式蒸留機の構造 単式蒸留焼酎の研究室
- ^ 「単式蒸留機」という用語の歴史的な経緯 単式蒸留焼酎の研究室
- ^ 橋谷元由, 「蒸留のしくみ」『化学と教育』 2018年 66巻 6号 p.300-301, 日本化学会, doi:10.20665/kakyoshi.66.6_300, NAID 130007657458。
- ^ 「単式蒸留機」と化学工学における「単蒸留」の相違 単式蒸留焼酎の研究室
- ^ Kumari Dhiman, Anju & Attri, Surekha. (2011). Production of Brandy.
- 1 単式蒸留器とは
- 2 単式蒸留器の概要
- 3 参考文献
単式蒸留器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 04:38 UTC 版)
「スコッチ・ウイスキー」の記事における「単式蒸留器」の解説
単式蒸留器は釜、冷却器、釜と冷却器をつなぐパイプ(ラインアーム、ラインパイプ)の3つのパーツからなる、特徴的な形状をした装置である。釜で加熱され気化された発酵もろみはパイプを通って冷却器に運ばれ、そこで冷却されて再び液体(蒸留液)となる。釜の上部には、「かぶと」と呼ばれる膨らみがある。単式蒸留器の容量が大きいほど、蒸留液の仕上がりは軽くなる。単式蒸留器の最小容量は400ガロン(2000リットル)と法定されている。 かぶとにはその形状(くびれ方)に応じて呼び名があり、ほとんどくびれのないものをストレートヘッド、くびれが1つのものをランタンヘッド、2つのものをボールヘッドという。かぶとの大きさや形状、パイプの長さや角度、釜の大きさや形状など、単式蒸留器の形状は様々で、その違いが生成される蒸留液の性質の違いをもたらす。釜で蒸発した成分が冷却器に運ばれる前にかぶとの壁に触れて液体となり、釜に戻ってしまうことがある(分縮)。分縮され釜に戻った成分は再び蒸留されることになり、その分濃度が高くなる。かぶとの表面積が大きいほど分縮の程度(分縮率)が上がり、すっきりと軽い味に仕上がることになる。 ラインアームの角度もウイスキーの仕上がりに影響する。角度が上向きの場合、気化したエタノールの一部が途中で液体に戻り逆流、結果角度が下向きで逆流がない場合と比べて軽めの仕上がりになる。 単式蒸留器の素材が銅であることは重要な意味を持っている。発酵もろみには硫黄成分を含み悪臭を放つチオール化合物が含まれているが、銅にはチオール化合物と反応する性質があるため、チオール化合物は蒸留の工程で蒸留液から排除される。また熱効率がよく触媒効果を持つことにより、香り成分の生成などウイスキーにとって有益な反応を促進する。
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