凝灰岩の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 07:02 UTC 版)
凝灰岩は元となる火山灰の生成状況やその後の堆積状況から、各々特徴を持った幾種類かに分類される。特徴的な凝灰岩を下に示す。 軽石凝灰岩(浮石凝灰岩、pumice tuff) 噴火の際に地上に噴出された軽石(浮石)を主な構成物質とするもの。成分は流紋岩~安山岩質。 栃木県宇都宮市産の大谷石は、石材として有名。 溶結凝灰岩(welded tuff) 巨大なカルデラ噴火に伴う火砕流によって、一時に大量の高温火山灰が堆積した場合に生成される。堆積後にも高温を保っていると火山灰が再融解して粒子同士が接着する(溶結)。分厚く堆積した溶結凝灰岩は、その冷却時にゆっくり収縮し見事な柱状節理を形成することが多い。 北海道大雪山東側の層雲峡では溶結凝灰岩の見事な柱状節理が見られる。阿蘇山東側の宮崎県高千穂峡は阿蘇山由来の溶結凝灰岩台地を五ヶ瀬川が侵食した渓谷。北アルプスの穂高岳の山体は約170万年前に、ここにあったカルデラ火山が大爆発した時の溶結凝灰岩からできている。 緑色凝灰岩(green tuff、グリーンタフ) 中国地方の日本海側から中部・関東・東北地方に広く分布している。新生代第三紀の大規模な海底火山活動に由来すると考えられており、日本列島の根幹をなす岩石のひとつ。熱変質でできた緑泥石が緑色・灰緑色を呈する。 輝緑凝灰岩(schalstein) 塩基性凝灰岩ともいう。やや変質した鉱物を多く含むために緑色や赤色をしている。 礫質凝灰岩 火山灰の噴出時や移動・堆積中に取り込まれた他の岩石礫を含むもの。同時に軽石を含むものも多く、また溶結していることもある。
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