全国に拡散した「丹後の藤織り」
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「藤織り」の記事における「全国に拡散した「丹後の藤織り」」の解説
丹後藤織り保存会が行っている講習の修了者は、第32回までに485名にのぼり、2015年(平成27年)の丹後藤織り保存会会員は158名を数える。講習修了者には、全国各地で織物に携わる職人や研究者も含まれている。 長野県「遠山ふじ糸伝承の会」(飯田市南信濃和田)では、企画運営を担当する木下美奈子が2012年に「丹後藤織り保存会」の講習で技術を習得し、毎年、京都大学教授ら他の「丹後藤織り保存会」会員の協力も得て、有志に技術指導を行っている。ヤマフジの蔓から糸を紡ぐ「藤糸作り」や「藤糸を織り込む織物」などの体験プログラムを企画するとともに、道の駅「遠山郷温泉かぐらの湯」等で販売する藤糸を用いた商品開発も行う。 愛知県の津具村では、2000年(平成12年)の頃、「丹後藤織り保存会」の講習会で技術を学んだ「瀞工房」河野静江が、藤繊維を用いた額絵やタペストリーを制作していた。 鳥取県三朝町横手に1993年(平成5年)5月に設立された「ふるさと健康村」の観光客向けの織物工房「アトリエ・グリシヌ」では、町内の古民家から約150年前の藤布を譲り受けたのをきっかけに、藤布の復元が行われた。「丹後藤織り保存会」の講習で基礎技術を学び、数年の試行錯誤の末に完成した藤織り数点が工房に展示されている。藤織りの復元と並行して、県特産の二十世紀梨を用いた梨染めや草木染め糸を使った「みささ織」を推進してきており、現在はこちらの活動が中心となっている 大分県「工房のむら」(中津市山国町中摩) 代表の野村徹が「丹後藤織り保存会」の講習で基礎技術を学び、1990年頃、3年の試行錯誤の末に藤織りに成功。工房が創作する現代の衣類やインテリアに使用する生地として製織している。ヤマフジよりもノダフジの方が織りがしっかりするという。工房としては、柿渋染や古布を活用した創作活動も手掛ける。その他の職人に野村彰、野村毅。
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